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SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト
時間展望-もっと先の自分へ
アーティストと研究者と考えるオープンミーティング
札幌文化芸術センター SCARTSと北海道大学CoSTEPは、アート&サイエンスを主題に若い世代の皆さんと一緒に、アーティストと研究者=アートの創造性と科学的な探究に触れ、世界をひろげる学びの場をつくることを目指すプロジェクトを行っています。毎回、サイエンスを切り口としたテーマを設定し、アーティストがそのテーマを探究するプロセスを一緒に体験していきます。
みなさんは、過去・現在・未来といった時間軸を見通す行動「時間展望」という考え方をご存じでしょうか。
今回は「時間展望」をテーマに、「プレコンセプションケア」(=男女問わず、妊娠・出産を考慮に入れ、現在の健康状態を確認したり、生活習慣の見直しを行ったりすること)を切り口としたオープンミーティングを開催しました。
ファシリテーターを務める北海道大学CoSTEPの朴さんによるテーマ「時間展望」についての説明からイベントがスタートしました。
時間展望とは、個人を軸に過去・現在・未来といった時間を一続きとして捉え、ライフプランを考えることで現在の行動が少し変わるかもしれない、未来に向けて今どんな行動をとるか、先を見据えた思考やポジティブな時間意識を持つといった概念のことです。
続いて、考えるためのインプット=話題提供として、研究者とアーティストが交互に発表を行いました。
話題提供 ①
前田絵里氏からは、男女の妊娠・出産に関する現状をさまざまな研究データから紹介いただき、科学的根拠に基づく「プレコンセプションケア」の概念を解説いただきました。
話題提供②
荒木悠氏からは、作品制作におけるテーマの探究を自身の経歴の影響についてや、作品制作のプロセス、日常での気づきや出会いを面白く感じるレベルまで引き上げるといった好奇心について、近年発表した作品の一部を上映しながら、お話いただきました。
話題提供③
佐野友宇子氏からは産婦人科の臨床医の経験から若い世代に伝えたいことや症例を紹介いただきながら、実際に産婦人科でどんなことを行っているかをお話しいただきました。
話題提供④
市原佐都子氏からは、作品を映像で紹介いただき、制作のきっかけとなった事柄やそれに対する自分の中考えを表現へと結びつけ、社会問題や個人それぞれの課題に接続するといった、現実をフィクションに置き換える表現手法などをお話いただきました。
4名からの濃い話題提供のあと、登壇者間で感想などを話し、参加者からの質疑応答を行いました。その後、事前に参加者に配布された「未来展望カード」「現実カード」「なるほどカード」「質問カード」を各自で記入し、参加者同士で各登壇者の話題提供に対する感想や10年後の未来について意見交換を行いました。
アーティストや研究者の探究・研究に触れ、たくさんの情報をインプットした参加者の皆さんがどんな選択肢を想像し、未来を創造するのか。
このプロジェクトは、今回のオープンミーティングをキックオフとしてアーティストも探究を深めていきます。
今後の活動・イベントにもご注目ください。
撮影:門間友佑
イベントの詳しい内容はレポートをご覧ください。
- 日時
- 2024年8月1日(木)
14:00~17:00 ※休憩有 - 会場
- SCARTSモールC
- 定員
- 20名(事前申込制・先着順)
- 対象
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高校生、大学生、専門学生
※中学生以上で興味のある方、教育関係者も申込可 - 登壇者
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写真:岡﨑果歩荒木 悠
アーティスト・映画監督米国ワシントン大学で彫刻を、東京藝術大学では映像を学ぶ。日英の通訳業を挫折後、誤訳に着目した制作を始める。近年の主な展覧会に東京都写真美術館(2024年)、十和田市現代美術館(2023年)、ポーラ美術館(2020年)、資生堂ギャラリー(2019年)、アートソンジェ・センター(ソウル、2019年)など。上映は、ロンドンICA(2021年)、マルセイユ国際映画祭(2021年)、ロッテルダム国際映画祭(2018年、2020年)など多数。
http://yuaraki.com/
©Bea Borders
市原 佐都子
劇作家・演出家・小説家・城崎国際アートセンター芸術監督2011年よりQ始動。人間の行動や身体にまつわる生理、その違和感を独自の言語センスと身体感覚で捉えた劇作、演出を行う。2011年、戯曲『虫』にて第11回AAF戯曲賞受賞。2019年に初の小説集『マミトの天使』を出版。同年『バッコスの信女 ─ ホルスタインの雌』をあいちトリエンナーレにて初演。同作にて第64回岸田國士戯曲賞受賞。2021年、ノイマルクト劇場(チューリヒ)と共同制作した『Madama Butterfly』をチューリヒ・シアター・スペクタクル、ミュンヘン・シュピラート演劇祭、ウィーン芸術週間他にて上演。2023年、『弱法師』を世界演劇祭(ドイツ)にて初演。
前田 恵理
北海道大学 大学院医学研究院 准教授専門は公衆衛生で、集団全体(国民)が健康になることを目指した研究を行っています。特に不妊症は「気づき」から「治療の終結」まで、あらゆる局面において社会の影響を大きく受ける疾病であるため、公衆衛生学的視点に立った研究が不可欠です。不妊症に悩む方を少しでも減らすこと、また、患者さんへのより良い支援のあり方を提案することを目的に、プレコンセプションケアを中心とした様々な社会医学的研究を行っています。
佐野 友宇子
北海道石狩振興局 保健環境部保健行政室(北海道江別保健所) 主任技師元々は産婦人科の臨床医でしたが、現在は北海道江別保健所で公衆衛生医師として働いています。 産婦人科での経験から自分の心と身体に真摯に向き合うことの大切さを痛感してきました。プレコンセプションケア、その中でも性教育はセックス、妊娠など性に直接関わる事柄を取り扱うだけでなく、自分と相手の心と身体を思いやる方法を身につけていくための技術を担っていくものと考えています。 産婦人科では一人一人の患者さんへ、公衆衛生ではよりメタ的な視点で、多くの人たちに心と身体を大事にすることを伝えていければと思っています。
モデレーター
朴 炫貞
北海道大学CoSTEP 特任講師韓国生まれ、アーティストとしても活動する。韓国芸術総合大学と武蔵野美術大学大学院で芸術を学び、言葉の間、生と死の間、時間の間、国の間、科学とアートなど、さまざまな境界においてモノやコトをカメラを通して見つめ、記録している。記録のなかで見えてくる、普通が特別になる瞬間を集めて、記憶の空間として体験する作品を目指している。CoSTEPでは、アートを通した科学技術コミュニケーションの実践研究を行っている。
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教育関係者の皆さまへ
〈SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト〉
本事業は、若い世代のアートやサイエンスに対する探究心や感性を養うことを目的に、SCARTSと科学技術コミュニケーションの人材育成を行う北海道大学CoSTEPが連携し、新しい教育プログラムを研究しています。また、高校教育における探究学習と接続することを目標とし、多様な文化的・芸術的感性の育成を目指す、持続可能な社会教育事業を推進していきます。
SCARTSとCoSTEPは事業の質の発展的向上のため、皆さまのご協力をお待ちしております。
アーティストの探究活動を学校等教育機関で活用することや、高大連携の取り組みについてなど、ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。 - 主催
- 札幌文化芸術交流センター SCARTS(札幌市芸術文化財団)、北海道大学CoSTEP、札幌市
- 後援
- 札幌市教育委員会
- 助成
- 令和6年度文化庁文化芸術創造拠点形成事業
- お問い合わせ先
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札幌文化芸術交流センター SCARTS
TEL:011-271-1955(9:00~17:00※休館日を除く)
Email:scarts@sapporo-caf.org - 入場者数
- 31名
- チラシダウンロード