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お知らせ

2022年3月25日(金)

札幌文化芸術交流センター SCARTS

「西2丁目地下歩道映像制作プロジェクト」小田香による映像作品『Underground 』が完成!
4月1日より上映を開始します。

「西2丁目地下歩道映像制作プロジェクト」小田香による映像作品『Underground 』が完成!4月1日より上映を開始します。イメージ1枚目

小田香

「西2丁目地下歩道映像制作プロジェクト」小田香による映像作品『Underground 』が完成!4月1日より上映を開始します。イメージ2枚目

西2丁目地下歩道

「西2丁目地下歩道映像制作プロジェクト」小田香による映像作品『Underground 』が完成!4月1日より上映を開始します。イメージ3枚目

撮影の様子:札幌都心北融雪槽

「西2丁目地下歩道映像制作プロジェクト」小田香による映像作品『Underground 』が完成!4月1日より上映を開始します。イメージ4枚目

撮影の様子:厚別川雨水ポンプ場雨水管

「西2丁目地下歩道映像制作プロジェクト」小田香による映像作品『Underground 』が完成!4月1日より上映を開始します。イメージ5枚目

撮影の様子:札幌市営地下鉄東西線ひばりが丘駅-東車両基地連絡通路

「西2丁目地下歩道映像制作プロジェクト」小田香による映像作品『Underground 』が完成!4月1日より上映を開始します。イメージ6枚目

撮影の様子:モエレ沼公園 海の噴水地下貯水槽

「西2丁目地下歩道映像制作プロジェクト」は、さっぽろ地下街オーロラタウンと札幌市民交流プラザをつなぐ “西2丁目地下歩道” を舞台にした映像制作のプロジェクトです。4面プロジェクションからなる横長の特殊スクリーンと、歩行空間という特徴を元に、多様で実験的な映像表現を探求しています。
本プロジェクトでは、これまでに、札幌を拠点に活動する映像チームSTUDIO ROCCA、映画・美術の分野で活動する大木裕之、写真家の野口里佳、世界的に活躍するタイの映画監督アピチャッポン・ウィーラセタクンによる4つの映像作品を制作しました。
5作目となる今回は、2019年制作の映画『セノーテ』で各方面より絶賛を受け、令和2年度(第71回)芸術選奨映画部門新人賞(主催:文化庁)を受賞した気鋭の映画監督・小田香に制作を委嘱し、札幌の地下空間に焦点をあてた作品『Underground』が完成しました。  4月1日より、小田香による新作を含めた5作品のラインナップで上映を行います。


Underground ー 地下にある人の営みと、場所に積層する時間
本作『Underground』は、人間の記憶 ―私たちはどこから来て、どこに向かっているのか― を一貫して探究する小田香が、巨大な構造物のある札幌の地下空間に着目した映像作品です。地上からは見えない地下空間には巨大なインフラがあり、この都市と人々の暮らしを支えています。また都市の発達とともに拡張し、整備され、日々遅滞なく機能するそれらの空間には、この土地を支えてきた人々の営みや時間が積層しています。
今回、小田はこの地下空間に複数のイメージや光を投影した上で、16ミリフィルムでの撮影を行いました。映像の中で重なる過去の情景や家族の声、幾度も現れる洞窟と穴、原始と宇宙のイメージは、作品が上映される地下歩道空間を別の時空へと接続し、現在の時間をゆさぶるような感覚をひきおこすでしょう。地下通路という特徴のある空間で生まれる新たな映像表現にご期待ください。


小田香『Underground』(9分37秒)
上映予定時間(1日12回上映)
9:00 / 10:25 / 11:00 / 12:25 / 13:00 / 14:25 / 15:00 / 16:25 / 17:00 / 18:25 / 19:00 / 20:25

※他4作品を含む全体スケジュールは4月1日以降下記ウェブサイトにてご確認ください。
<西2丁目地下歩道映像制作プロジェクト>
https://sapporo-community-plaza.jp/archive_nishi2chome.html



<監督の言葉>

地下の世界は真っ暗で、光で照らさないと何も見えない。うつらない。暗闇を光で照らす作業は、その空間を光で彫刻する行為のような気がした。照らし方によって、見える面が、その見え方が変化する。今回札幌で撮影した空間は、雨水を運ぶ管だったり、雪を溶かすための槽だったり、公園の噴水下、地下鉄のちょっと奥など、私たちの日常の隣にありえる場所だ。我々はそれらの空間を通して、宇宙に出た。138億年といわれる時空に接触を試みた。

何に耳を澄ませていたのだろう。石や星、家族の思い出、それらを繋ぐ穴たちを空間に投影することで、私たちはそこにある痕跡を見出そうとするよりは、私たちの痕跡を残そうとしてるのかもしれない。あるいは、古い跡に新しい跡を重ね、私たちもここに来たぞ見たぞ居たぞと、いくつも重なる層のひとつとして発信し、発見されたいのかもしれない。地下の痕跡はいずれ地上に顔を出すだろう。人間たちがいたことを表す層は綿々と積み重なっていく。
小田香 


小田香(おだかおりhttps://www.fieldrain.net 外部リンク
大阪生まれ、在住。米ホリンズ大学教養学部映画コース修了。卒業制作である中編『ノイズが言うには』(2010年)が、なら国際映画祭NARA-wave部門で観客賞受賞。東京国際LGBT映画祭など国内外の映画祭で上映される。巨匠タル・ベーラが陣頭指揮するfilm.factoryに第1期生として招聘され2016年に同プログラムを修了。2014年度ポーラ美術振興財団在外研究員。第一回長編作品『鉱ARAGANE』(2015年)が山形国際ドキュメンタリー映画祭・アジア千波万波部門にて特別賞を受賞、各地の国際映画祭等で上映。2020年、新設された大島渚賞(審査員長:坂本龍一、審査員:黒沢清/荒木啓子)では第1回の受賞者となった。最新作『セノーテ』(2019年)はロッテルダム国際映画祭でプレミア上映され、「まぎれもない傑作」(蓮實重彦氏)など、各方面より絶賛。『セノーテ』の成果により、令和2年度(第71回)芸術選奨映画部門新人賞(主催:文化庁)を受賞した。