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お知らせ

2024年5月2日(木)

札幌文化芸術劇場 hitaru

Creative Art Mix Vol.2~Classical Jewels~編曲者からのコメント

Creative Art Mix Vol.2~Classical Jewels~の編曲者から、配信視聴者に向けた楽曲紹介のコメントをいただきました。

DJ TAMA a.k.a. SPC FINEST

ダンスとの融合が今回はとてもうまくできていると思いました。
ひとつひとつの曲が他にはない世界観の作品として昇華されています。
オッフェンバック「天国と地獄」の鈴木明倫(コンテンポラリーダンス)、髪立ツカサ(舞踏)のお二人のパフォーマンスは特に凄くて、初めて見た時に大きな衝撃を受けました。
アレンジについては、今回はここ最近DJでプレイしたりしている、ブラジルのバイレファンキやアフロビーツの要素も取り入れつつ、Hip Hopの骨太なドラムの質感は忘れずに入れて、ジャンルが融合した新しい感じでアレンジをした曲が多くて、かなり苦しみましたが、最終的にとても気に入った曲を作ることができました。
どの曲もドラムのグルーブには拘りがあります。そこをチェックして欲しいです。



小野健悟
<クリエイティブ・アートミックス Vol.2 楽曲アレンジに寄せて>
前回に続き、素晴らしい制作、演奏の機会をいただけまして、まずは見に来て下さったお客様、関係者皆さまに深く感謝いたします。
今回もアレンジする曲の数が多く、また原曲が素晴らしいクラシックの名曲の数々で本当に大変でしたが、原曲の魅力を引き出せるよう頑張ってアレンジさせていただきました。
是非ご堪能いただけましたら幸いです。

ラフマニノフ「ヴォカリーズ」
この曲は歌でありつつ歌詞の無い歌でインスト(オフボーカル)的な解釈がしやすい曲かな?と思ったのが最初の印象でした。
取り掛かってみると、曲の色彩が細かく変化してゆくというか伴奏や対旋律も複雑に変化してゆくのに
メロディーや流れが一貫してとても美しく、手を入れるのがほんと大変でした。
最終的にはR&B風の曲として何とか一つの方向性として落ち着く事が出来て良かったという感じです。

<チャイコフスキー「白鳥の湖」メドレー>
この曲は昨年のVol.1で演奏した曲のリメイクなのですが、メドレーということで3曲にまとまっています。
初めて見られた方は、何故同じ"情景"のテーマ曲が3つあるのかと思われるかもしれませんが、これは昨年の2部のテーマが「白鳥の湖」ということで、2部演奏曲全てが「白鳥の湖」の曲で、"情景"が異なった曲調のアレンジとして複数存在していて、(白鳥の湖の有名曲なので複数入れて欲しいというオーダーがありまして)その中からの抜粋ということで、このようなメドレーになりました!
同じメロディーですが、曲調が全然違っているバージョンということで楽しんでいただけましたら幸いです。昨年同様僕はEWI(電子楽器)を吹いているのと、3曲目はiPadを使ってシンセパートを演奏しております。

<モーツァルト オペラ『フィガロの結婚』より「楽しい思い出はどこへ」>
この曲は本当に大変でした!まず最初の語り部分、え??何これ、これをどうアレンジせよと、、
クラシック奏者の方に色々教えてもらい、アリアなる存在を知る(笑)。そしてこの歌詞の意味が何か凄すぎ、気になり過ぎて作業が進まない(笑)、、
そして中間部分の弦楽器中心で演奏される「ドーシラソ・・」という印象的なメロディー、恐らくこれは生かした方が良いだろうなーと思いつつ楽譜見ていたら、このメロディーは何故か3拍目から記譜されている、、え、なんで?
またもやクラシック奏者に「あの、僕的にはこのメロ1拍目から入っているように聞こえるんですが・・」と質問、「ああ、モーツァルトの楽譜ってこうゆうのあるんですよ」と回答。なんと~~。
とにかく大変でしたが、散々聴いたせいかすっかりこの曲に魅力されました(笑)。
前半はエレクトロニカ、後半はポップなジャズでアレンジさせていただきました!特に後半の歌との掛け合いの所が好きで原曲に近い感じが気に入ってます!

<ホルスト組曲『惑星』より「木星」>
この曲は昨年演奏した曲のリメイクで、今回楽器編成にホーンセクション(今回においては Tp、A.Sax2人)が入ったので、一段と豪華にアレンジさせて頂きました。原曲の凄い美しく洗練された、来るぞ来るぞ!という感じで煽る曲調がより一層、表現されていたら幸いです。
曲の煽りの要素はクラブミュージックでは非常に重要な要素の一つなのですが、ホルストがそういうイメージを感じながら作っていたのなら親しみがあって嬉しいなと思い、作業中は一人で勝手に盛り上がってました(笑)。DJ TAMAさん、(ギターの荒川)剛くんのプレイ、ほんとに秀逸なのです!是非ご注目下さい。

<レオンカヴァッロ オペラ『道化師』より「衣装をつけろ」 >
この曲は最初からロック系でということでオーダーいただいたのですが、どうせやるなら、リズムだけがロック風になるとかじゃなくて、がっつり極悪な感じを表現したいなと思い、がっちりとした重厚なメタル系でアレンジしました。
倉岡さんの美しく素敵な歌声とは対照に重厚なリズム隊のコントラストが素晴らしく、とても素敵な曲になりました。リズム隊の皆さまにあれこれ注文お願いしたのですが対応して下さって本当に感謝です!

<チャイコフスキー バレエ「くるみ割り人形」(花のワルツ)>
この曲は(どの曲もですが)あまりにも有名でキャッチーなメロディーなので、どんな風に料理したら良いか結構悩んだのですが、色々試行錯誤しているうちに、00年代のラウンジ風の曲調が合いそうだなと思いこのアレンジとなりました。
といいつつ、真ん中の辺りはかなり遊んでますね(笑)。方向性が決まってからはサクサク作ることが出来ました。すっきりして気持ちの良い曲になったかと思います!是非カフェ感を楽しんで下さい(笑)。

<ドリーブ オペラ『ラクメ』より「花の二重唱」>
この曲は他の曲アレンジ作業も佳境に差し掛かり、早く作らなければと焦っていたとき取り掛かって比較的すっとアレンジ出来た曲です。
原曲を聞いていたとき、どことなく明るくてキャッチーな分かりやすめのJ-POPの感じがして、特にサビの部分は、まさしくJ-POP王道進行がハマるのではと思い、その方向でアレンジしたら、おお~凄いハマるなーと思いサクサクと作業出来た曲ですね。
構成も分かりやすいし、何か自然に拡張したような解釈のアレンジになっているかなと思います。倉岡さんの歌、まるで豪華なディナーショーのような感じでとても素敵なのです!

<メドレー ショパン「幻想即興曲」モーツァルト ピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲」 ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲「四季」より冬 パッヘルベル「カノン」>
Pこと秀さん(札幌文化芸術劇場 hitaruチーフプロデューサー髙橋秀典)より、「今回バンドだけの曲を用意したから、たっぷりとバンドの魅力を出しちゃって」と言われ、、え、いや、たっぷりっていうか、曲タイトルだけでお腹一杯になりそうというか、詰め込み満載ですよー(涙)、と思いつつ、頑張ってアレンジした曲たちです(笑)。そもそも何のメドレーか分からず作業に突入(笑)。
これ見よがしに、バンドのみんなが目立つようにしたいなと思い、結構、原曲の大変な感じ含め色々ぶっこみました(笑)、かなり遊びましたね。
いやー、バンドメンバーのみなさん、大変すみませんでした。。(キーボードの林)佳一郎くんの幻想即興曲や、(ヴァイオリンの長谷川)加奈ちゃんの冬、(ギターの荒川)剛くんのカノン、その他、色々大変な部分があったのですが、演奏して下さったメンバー皆さまに感謝です!
これらの名曲たちはそれぞれに素晴らしい魅力があって、ちょっとだけテイストを変えて繋げてメドレーへ、なんてことには到底出来ず、、結局、メドレーというよりは、全4曲をフルアレンジした感じになってしまいました。大変でしたが楽しかったです!とても(主にバンド皆さまの演奏が)素晴らしいので是非ご注目下さい。

<ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」より第4楽章>
この曲の連絡をいただいたとき、えーー、あの第9ですか!倉岡さんの歌が入っているとはいえ、第9って、大人数で合唱しているイメージが強いし、どうしようううう~!と悩んで色々調べていたとき、「Joyful, joyful」という曲が目にとまり、そういえばローリン・ヒル、平原綾香がやってたよな、と思い出す。この曲は原曲の第9、歓喜の歌を英語の歌詞をつけて讃美歌としてアレンジされたものか、と思いつつ、だとしたら逆に、曲の雰囲気はゴスペル系のままで、歌を原曲、オペラ側に戻したら面白いんじゃない?と思い立ち、要は、第9のオペラをJoyful,joyful的な雰囲気でアレンジしてみました!
単に歌だけが元に戻っただけだと戻した感が薄いので、有名なメロディーの後に続くダークなメロディーも少し入れて原曲アピールしてます(笑)。
あとはこうゆうFunk、Soul系のホーンセクションは得意で、楽しくさくさく作ることが出来ました!
是非、そのような部分も楽しんでいただけたら嬉しいです。