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札幌文化芸術交流センター SCARTS 主催事業 展示 ワークショップ

Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-

Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-イメージ1枚目

ふりかえりトークイベントの様子

Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-イメージ2枚目

撮影:リョウイチ・カワジリ

Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-イメージ3枚目

撮影:リョウイチ・カワジリ

Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-イメージ4枚目

撮影:リョウイチ・カワジリ

Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-イメージ5枚目

撮影:リョウイチ・カワジリ

Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-イメージ1枚目のサムネイルCollective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-イメージ2枚目のサムネイルCollective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-イメージ3枚目のサムネイルCollective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-イメージ4枚目のサムネイルCollective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-イメージ5枚目のサムネイル
「Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-」のテキストアーカイブについて

 2019年10月、札幌市民交流プラザの開館1周年「PLAZA FESTIVAL 2019」のプログラムとして、SCARTSは市民参加型アートプロジェクト「Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-」を開催しました。  
 「搬入プロジェクト」とは、パフォーマンス集団「悪魔のしるし」が考案した「ある空間に入らなさそうでギリギリ入る巨大な物体を設計・製作し、それを搬入するパフォーマンス」です。2018年に著作権放棄(オープン化)されたため、札幌ではSCARTS独自の「搬入プロジェクト」を行うことになりました。  

 開館1周年にあたり、プラザの特長の一つである、複合施設としての構造や管理ルールの複雑さをポジティブに捉え、未来の公共施設の在り方を考えたかった私たちは、「搬入プロジェクト」の持つ祝祭性や、市民と共に建物へ向き合う要素に惹かれ、プラザでいかに実施するべきかを考えました。
 そこで、搬入のコンセプトを含む物体の設計を建築家の五十嵐淳氏に依頼したところ、搬入エリアをあえて施設内から街にまで拡張し、街の管理ルールのギリギリを攻めながらプラザまで物体を搬入するというコンセプトが生まれ、約30名の市民が、札幌の街に分散してさまざまな形のピースを公開製作し、公共交通や地下街を通過しながらプラザまで搬入し、一つの巨大な物体をつくり上げました。  
 初対面の人々が長い道のりを「搬入」するにあたっては、参加者に寄り添い、街の人々の視線にも寄り添いながら先頭で旗を振る存在が必要と考え、まちづくりプランナーとしてまちの再生や賑わいづくりに取り組む酒井秀治氏に市民参加のコーディネートを依頼。参加者には、地下鉄や市電や地下街を舞台に、街を行き交う人々を観客とするパフォーマーとして活躍していただきました。  

 街という舞台には、さまざまなルールや制限があります。交通局や警察と度重なる協議を重ね、搬入がかろうじて許可される物体の条件(サイズ、個数、時間、場所、人員体制など)を事前に確かめましたが、ギリギリであることから当日は想定外の事も発生し、参加者や公共交通機関で働く人々の機転と協力によりトラブルを回避することができました。搬入の様子はSNSで実況し、会場ではタイムラインをリアルタイムで上映。搬入後は、プラザに搬入したピースを高さ7メートルの岩山のような造形に組み上げ、人々が集い自由に憩える居場所として開放し、さらに解体後の数日間は人々が各々で寛げるベンチとしてプラザ内に点在させました。  
 管理ルールによってさまざまな機能が共存する複合施設、そして札幌の街において、ルールに捉われて表現を規制するのではなく、外部を含む各所の協力を得ながら市民とともに表現活動を展開した本プロジェクトが、開館1周年を迎えたプラザのモニュメントとして搬出後も人々の記憶に残ることを願います。

 また、オープン化された作品は、それぞれの場所性や作家性により、オリジナルの文脈から離れた展開をみせていきます。先に実施されていた豊田市美術館の「搬入プロジェクト」は、第三者である美術家ならではの搬入に、悪魔のしるしによる従来型の搬入が加わり、新旧両方を楽しめるかたちで実施されました。
 これに次ぐ本プロジェクトは、「悪魔のしるし」が参加しない初の「搬入プロジェクト」となったことから、オープン化による今後のさらなる発展を願い、多角的な視点によるアーカイブを残すため、設計者の五十嵐淳氏、「悪魔のしるし」の石川卓磨氏と金森香氏、そして第三者である美術ライターの島貫泰介氏からテキストドキュメントをお寄せいただき、関連記事や記録をここにまとめました。  

札幌文化芸術交流センター SCARTS



アーカイブ: Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-    

●記録写真(特設ウェブページ)      
https://collectivep.tumblr.com/ 外部リンク  
 

●記録動画(Youtube)  

https://youtu.be/DKxtqOX84Ds 外部リンク

●寄稿    
「Collective P」について。  
五十嵐淳(建築家)    

札幌を訪ねて    
島貫泰介(美術ライター/編集者)    

搬入プロジェクトの行く末    
石川卓磨(悪魔のしるし/建築家)    

「搬入プロジェクト」オープン化の経過とわたしたちが死んでないという問題    
金森香(悪魔のしるし/企画・プロデュース)    

●SCARTSシンポジウム アートセンターの未来 (2020.2.24座談会)    
「Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-」から考えたこと    
酒井秀治(まちづくりプランナー/(株)SS計画代表取締役)    

●ふりかえりトークイベント(2019.10.5 ※トーク抜粋)    
五十嵐淳、酒井秀治、岩田拓朗(SCARTSテクニカルディレクター) ゲスト:小野風太(札幌市交通局)    
※近日公開予定    

●SCARTS CROSS TALK vol.7(2019.9.25公開、対談記事)    
境界線は、どこにある?居場所をつくるアートプロジェクト    
五十嵐 淳×酒井 秀治×矢倉 あゆみ(SCARTSコーディネーター)  
日時
2019年10月3日(木)~ 14日(月・祝)
会場
札幌文化芸術交流センター SCARTS SCARTSスタジオ2 SCARTSモール 
主催
札幌文化芸術交流センター SCARTS/札幌市民交流プラザ(札幌市芸術文化財団)

企画・制作
五十嵐淳(五十嵐淳建築設計事務所)
酒井秀治(まちづくりプランナー/株式会社SS計画代表取締役)
岩田拓朗(SCARTSテクニカルディレクター)

制作アシスタント:高見堂風花(五十嵐淳建築設計事務所)、樋口瑞希(五十嵐淳建築設計事務所)
コーディネーター:小山冴子(SCARTS)、矢倉あゆみ(SCARTS)
テクニカルスタッフ:神坂知春(SCARTS)、福津圭佑(SCARTS)

協力:札幌市交通局、札幌都市開発公社、積水化成品工業株式会社
後援:札幌市、札幌市教育委員会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術振興会

宣伝美術:ワビサビ
映像撮影:モンマユウスケ、大塚黒
写真撮影:リョウイチ・カワジリ

スペシャルサンクス:参加市民のみなさん、悪魔のしるし