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札幌文化芸術交流センター SCARTS 主催事業 展示 美術 トーク 上映会

SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト
市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』

SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ1枚目

Introduction(展覧会の導入) 撮影:岡田昌紘

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粘菌(生体展示) 撮影:岡田昌紘

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《肉の上を粘菌は通った》(2026) 撮影:岡田昌紘

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Research(プロセスを紹介) 撮影:岡田昌紘

SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ5枚目

撮影:岡田昌紘

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SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト
札幌文化芸術交流センター SCARTSと北海道大学CoSTEPが共同し、若い世代のアートとサイエンスに対する探究心や感性を養うことを目的としたプロジェクト。アートの創造性と科学的な探究との相互交流により、世界をひろげる学びの場をつくることを目指しています。
社会的に関心の高い科学的トピックからテーマを設定し、アーティストはそのテーマを出発点として自身の関心領域に引き付けリサーチを重ね、表現に結びつけます。その新たな視点や価値を見出す過程を一緒に体験するトークイベント、ワークショップや成果発表会を実施しています。

市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』
本展は、招聘アーティストに市原佐都子を迎え、本プロジェクトの成果発表として開催しました。
人間の生殖活動と、数億年にわたり生き続けてきた粘菌の営みを主題に、市原佐都子が新たに書き下ろした二つのモノローグを学習したLLM(Large Language Model)と粘菌の関係性を軸に構成しました。
テーマ「プレコンセプションケア」から着想を広げ、「粘菌とAI」をモチーフとする初のインスタレーション作品を発表しました。本作では、自ら開発したAIとともに制作を行うアーティスト・岸裕真を協働制作者に迎え、北海道大学の研究者の助言を受けながら制作を進めました。人類が滅びた後の世界においても活動を続ける粘菌が合唱曲を生成していくというフィクションを設定し、その世界観をインスタレーションとして構築しました。

*将来の妊娠・出産を見据えて現在の健康状態や生活習慣を見直そうとする考え方。WHOが妊娠前の医学的・社会的支援を推奨しており、近年注目されている取り組みです。


◎ アーティストの探究活動をまとめた【プロジェクトブック】はこちらよりご覧いただけます。
SCARTS×CoSTEP ART&SCIENCE PROJECT BOOK 2024-2026(PDF形式)(PDF形式)

作品のみならず、その背景にある思考や研究過程も含めて提示することを目的に、各会場をIntroduction(導入)、Exhibition(新作展示)、Screening(上映)、Research(研究)と設定し、アーティストの探究および創作の過程をめぐる空間として構成しました。

Introduction

本展開催の前提となるプロジェクトの概要、テーマ「プレコンセプションケア」、および作品制作に至るまでの探究の過程を解説しました。 SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像1 SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像2

Exhibition

市原佐都子が本プロジェクトの成果として制作した新作インスタレーションを展示しました。展示空間の前では、アーティストステートメントの掲出、本作のために書き下ろしたモノローグが市原の声質を学習したAIによる朗読、モチーフとなった「粘菌」の生体展示を行いました。 SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像3 SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像4
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《肉の上を粘菌は通った》
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Screening

市原佐都子が主宰する劇団Qにより制作・上演された演劇作品の記録映像を上映しました。 SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像7 SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像8
◆上映作品
『妖精の問題』
制作・初演:2017年/上演:2018年、上映時間:約120分
『バッコスの信女−ホルスタインの雌』
制作・初演:2019年/上演:2020年、上映時間:約150分
『弱法師』
制作・初演:2023年/上演:2024年、上映時間:約90分
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Photo by Kai Maetani, courtesy of Kyoto Experiment
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Photo:Shun Sato
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©︎Theater Commons Tokyo ’24
Photo by Shun Sato

Research

アーティストの探究・創作活動の過程において参照した研究や資料を紹介しました。 SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像12 SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像13
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探究・創作活動のなかで、市原氏が手に取った書籍や資料を紹介。
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SCARTSとCoSTEPが開発するテーマ「プレコンセプションケア」を、アートとサイエンスの視点から身近な問いにつなげ、自分自身の未来や社会との関わりについて、考え・体験するためのワークショップツールも紹介しました。

撮影:岡田昌紘

日時
2026年1月31日(土)~ 2月11日(水・祝)
10:00~17:00
会場
札幌文化芸術交流センター SCARTS 
関連イベント

アーティスト×研究者トーク
2026年1月31日(土)14:00~15:30
会場:SCARTSモールC
参加無料、事前予約不要

 

 

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本展の関連企画として、アーティストと研究者によるトークイベントを実施しました。成果作品の制作プロセスや、モチーフである粘菌とAIの関係を中心に議論が行われました。

まずは、作品で設計した二種類のAIについて岸氏から説明がありました。ひとつは汎用的な人工知能、もうひとつは作家のテキストのみを学習した限定的な人工知能です。粘菌の動きを検出すると、汎用AIが合唱曲の構成を生成し、限定的なAIが歌詞を生成する仕組みが紹介されました。人間の意図を超えて立ち現れる音楽の生成過程や、どのようにシステムを設計したのかについても共有されました。

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SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像3

これまで人間の俳優や技術スタッフと協働してきた創作活動とは異なり、人間ではない存在が世界を捉えることへの関心から今回の試みが始まったこと、自らの作為を離れて作品が立ち上がる過程に面白さを感じたことが市原氏より語られました。

また、研究者からはアーティストが粘菌に抱いた関心そのものが新たな科学的問いにつながる可能性があることや、生物観察においては知識に回収される前の素朴な観察や「わからなさ」を保つ姿勢が重要であることが共有されました。「わからないものを扱うこと」の意義についても議論が及び、理解しきったものとして扱うのではなく、わからないまま接する態度に創造性が宿るのではないかという視点が示されました。

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SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像5

さらに、AIを「身体なき知性」、粘菌を「身体のみの知性」と捉える考え方が紹介され、両者を接続することで人間中心の視点を相対化する可能性が示唆されました。人間の介入をどのように位置づけるかという問いも提起され、芸術実践を通して人間を外側から見つめ直す試みについて意見が交わされました。

アートとサイエンスの思考の近さをあらためて確認するとともに、両者の関係性が今後さらに広がっていく可能性を感じさせる機会となりました。

登壇者

市原佐都子(劇作家・演出家・小説家・城崎国際アートセンター芸術監督)
岸裕真(アーティスト)
中垣俊之(北海道大学 電子科学研究所 教授)
越後谷駿(北海道大学 電子科学研究所 特任助教
朴炫貞(北海道大学CoSTEP 特任講師)
司会:木ノ下智恵子(SCARTS事業統括ディレクター)


 

おしゃべりアート
2026年2月7日(土)、8日(日)11:00~14:00
集合場所:SCARTSモールA・B
参加無料、事前予約不要 ※時間内は自由参加

作品をより身近に感じ自由に楽しむ、札幌アートコミュニケータズによる鑑賞ガイドを実施しました。
感じたことを自由に話し、おもしろかったことや疑問に思ったことを共有しながら作品を鑑賞しました。

企画:札幌アートコミュニケーターズ 外部リンク

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招聘アーティスト

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©Bea Borders

市原 佐都子
劇作家・演出家・小説家・城崎国際アートセンター芸術監督

2011年より劇団Q始動。人間の行動や身体にまつわる生理、その違和感を独自の言語センスと身体感覚で捉えた劇作、演出を行う。2011年、戯曲『虫』にて第11回AAF戯曲賞受賞。2019年に初の小説集『マミトの天使』を出版。同年『バッコスの信女 ─ ホルスタインの雌』をあいちトリエンナーレにて初演。同作にて第64回岸田國士戯曲賞受賞。2021年、ノイマルクト劇場(チューリヒ)と共同制作した『Madama Butterfly』をチューリヒ・シアター・スペクタクル、ミュンヘン・シュピラート演劇祭、ウィーン芸術週間他にて上演。2023年、『弱法師』を世界演劇祭(ドイツ)にて初演。

協働制作者

本展では、市原氏と岸氏が協働し、竹森達也(AbstractEngine)と成瀬陽太をメンバーに加え、新作インスタレーション作品の制作を行いました。

SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像1
Photo : 手塚なつめ

岸裕真
アーティスト

1993年生まれ。AIを「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」と捉え直し、人間とAIによる創発的な関係「エイリアン的主体」を掲げて、自ら開発したAIと協働して絵画、彫刻、インスタレーションの制作を行う。主な活動として、個展「Oracle Womb」(2025 / √K Contemporary)、企画展「DXP2」(2024 / 金沢21世紀美術館)など。著書として「未知との創造:人類とAIのエイリアン的出会いについて」(2025 / 誠文堂新光社)。受賞歴に「CAF賞2023」入選など。

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成瀬 陽太
アーティスト・映像作家

2000年大阪府生まれ、長野県育ち。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)メディア表現専攻博士前期課程修了、修士(メディア表現)。
知覚現象やAI技術を用いたインスタレーションの制作や、MUTEK.JPへの出演、リアルタイム映像演出など、様々な技術・メディアを横断する表現活動を行う。また、テクニカルアーティストとしても活動し、他アーティストのプロジェクトに参画し、システム設計や実装を行う。

SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像3

竹森達也
Hardware Engineer / Technical Director(Abstract Engine)

1993年京都生。京都大学工学部物理工学科卒、同大学院にてロボティクス研究に従事し、修士、博士(工学)を取得後、研究員を務めた。ロボカップ世界大会レスキュー実機リーグ優勝、日本機械学会業績賞、システム制御情報学会学会賞奨励賞、京都大学総長賞などを受賞。2022年からアブストラクトエンジンに入り、メカ、電子回路、制御工学の総合的な設計開発・実装や企画を行う。「Shadow Up」「“Syn:身体感覚の新たな地平”by Rhizomatiks×ELEVENPLAY」「PixOrb」など。

制作協力

本展では、粘菌研究に関する情報提供や映像撮影、生体展示などについて、多方面からご協力をいただいています。

SCARTS×CoSTEPアート&サイエンスプロジェクト 市原佐都子『肉の上を粘菌は通った』イメージ画像1

北海道大学 電子科学研究所 知能数理研究分野

粘菌をはじめ、ラッパムシや有殻アメーバなど単細胞生物の知的な行動を数理的な視点で読み解こうとしている。野外から単細胞生物を採集し、飼育できたあかつきには様々な振る舞いに出くわすことになる。思っていたよりも複雑な一面が見えてくることも。現在は100種類を超える単細胞生物+23名といった多様なメンバーで活動中。

主催
札幌文化芸術交流センター SCARTS(札幌市芸術文化財団)、北海道大学CoSTEP、札幌市
後援
札幌市教育委員会
協力
北海道大学 電子科学研究所 知能数理研究分野
助成
令和7年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
広報協力

札幌国際芸術祭(SIAF)
みんなでウパㇱテ!! 2026 冬の札幌 アート巡り
https://upaste.siaf.jp/ 外部リンク

入場者数
3,323名

関連イベント
アーティスト×研究者トーク: 60名
おしゃべりアート: 52名
チラシダウンロード