2020年10月2日から7日まで、開館2周年の「プラザフェスティバル 2020」として、館内の劇場、クリエイティブスタジオ、SCARTS、札幌市図書・情報館が、音楽や映像を中心とするさまざまなプログラムで賑わいました。

2階のSCARTSモールCでは、「SHURE24：世界のオーディオカルチャーをプッシュする24人」に選出されたボイス・アーティスト、細井美裕が中心となり2019年に制作されたサラウンド音響作品「Lenna」を、複数のスピーカーを組み合わせた特殊な環境で再生。声が立体的に絡み合うことで、鑑賞者にひとりの人間の声とは思えないような様々な質感を知覚させ、また、音源だけではなく空間特有の響きまでを作品の一部として展示するもので、今回は高さ10mのSCARTSモールCと、1階から繋がる吹き抜けの空間に合わせて、14chのシステムに作品を再構築したことにより、まるで建物そのものの歌声に包まれているような感覚を体験できるインスタレーションとなりました。

札幌市図書・情報館やレストランとオープンに繋がるSCARTSモールでは、通常、遮音する壁が無いことから大きな音が響くイベントを制限していますが、フェスティバルの6日間は初の試みとして、毎時00分から7分45秒間にわたり、1～3階に居合わせた人々が同じ音に耳を傾ける時間が創出されました。