20世紀前半のパリで活躍したルオー、ダヴィッド、マティス、シャガールなどの画家たちは、詩や小説の挿絵を多く手がけています。「リーヴル・ダルティスト」（Livred’artiste／芸術家の本）と呼ばれるそれらの挿絵本は、豪華な装幀が施され、限定発行されたことで、当時の愛書家や美術愛好家たちに好んで収集されました。また万国博覧会などの展覧会においても一部門が設けられ、「本」はこの時代、新たな芸術表現の手段として広く普及することになります。そこで画家たちはテキスト（言葉）とイメージ（絵）の関係を熟慮し、出版者や版画工房と手を組み、また時には画家同士でも互いに影響しながら、自身の芸術表現を探究していきます。
同時開催：近美コレクション「ウィズ・キッズ ’25めでたいな！幸せねがう日本の絵」、「アール・デコのガラス」、「青木美歌《未生命の遊槽》」、「新収蔵品展」