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お知らせ

2019年9月11日(水)

札幌文化芸術劇場 hitaru

【公募企画事業取材レポート】北海道ダンスプロジェクト主催 HDP DANCE PREMIUM 2019②!

札幌市内で継続的に活動している文化芸術団体と共に、札幌文化芸術劇場 hitaruの開館から1年間のオープニングシリーズを盛り上げる公募企画事業。
今回は、9月22日(日)北海道ダンスプロジェクト主催「HDP DANCE PREMIUM 2019」にて振付・出演を行う鈴木明倫さん、西野留以さん、本田大河さんと北海道ダンスプロジェクト会長・宏瀬賢二さんへのインタビューをお届けします。

※左から、宏瀬賢二さん、西野留衣さん、本田大河さん、鈴木明倫さん
※左から、宏瀬賢二さん、西野留衣さん、本田大河さん、鈴木明倫さん

※左から、宏瀬賢二さん、西野留衣さん、本田大河さん、鈴木明倫さん
※左から、宏瀬賢二さん、西野留衣さん、本田大河さん、鈴木明倫さん

―まずは自己紹介をお願いします

西野さん
西野留衣(にしのるい)、20歳です。
去年、ほっかいどう未来チャレンジ基金という、北海道在住の若者を対象に海外での活動支援する企画で、アメリカ・ロサンゼルスに3か月行きました。
最初はこのような企画があること自体知らなかったのですが、宏瀬先生や周りの方からお話しを伺いました。自分でもいつかは行きたいという気持ちがありましたが、なかなかタイミングもなかったのですが、これを機会に行くことができました。

本田さん
本田大河(ほんだたいが)、19歳です。
札幌生まれ、札幌育ちですが、現在大阪芸術大学の舞台芸術学科・ミュージカルコースで学んでいます。踊りと歌、演劇の3つを学んでいます。2歳から踊りを始め、ストリートダンスやジャズダンスを学んでいましたが、劇団四季「ライオンキング」のオーディションに合格、この経験を機会に、プロの方と仕事をしていくことが楽しいと思い、ミュージカルの世界に踏み入れました。大阪では、「おかあさんといっしょ」のスペシャルステージなどに出演しながら、学校で勉強しています。

宏瀬さん
「ライオンキング」が、彼の人生を変えたよね。「タイガ」なのに「ライオンキング」なんだけどね(笑)

鈴木さん
鈴木明倫(すずきあきのり)、33歳です。

西野さん本田さん
え、もうそんな歳だったの!?全然見えない。(笑)

鈴木さん
もうそんな歳になりました。(笑)
美唄市で生まれ、幼少期に札幌へ移り、ダンスを始めました。20代後半は東京でコンテンポラリーやミュージカル、歌舞伎など様々な分野の舞台に携わりました。また、同時期に海外のフェスティバルに参加することも出てきて。他国の舞踊と接することで、土地や文化が身体や表現、精神に表れていることに気づき、惹かれていくうちに、「地方からの発信」という思考を持ち始めたこともあり、北海道に戻ってきて頑張っています。


― 3名とも、北海道以外でのキャリアをお持ちなのですね。西野さん、鈴木さんは海外経験があるとのことですが、他国の地を踏んでみていかがでしたか?

西野さん
いや、もう……怖かったよね。(笑)
私はまだ10代で、何も経験を積んでいない時期に行くことになったのですが、物事を整理したり考えたりする暇もないくらい、バタバタと渡航が決まってしまって。
そして、向こうに行けばまさに「ひとりぼっち」。バックグラウンドを知る家族や友達もいなく、「西野留衣」というひとりの人間として存在し、踊りの評価についても、「良い」「悪い」をはっきり伝えられる。ただ、その分感じるものも多かったので、その点では、帰りたくなかったです。こういうところにいたら、刺激をもっともらえるし、もっとこんな風になれるかもしれない、という思いも沢山あります。気持ちもとても強くなりました。ダンスについても自分で向き合い、自分で考えるようになりました。ロサンゼルスに行くまではこんなに考えたこともなかったので、本当にいい時間でした。

鈴木さん
僕は、短期間で今も時々海外に行ったりしますが、その国で生まれたものは本当にゆるぎないなと思います。そして、芸術に対する考え方が国によって異なるという風に感じます。なので、「どうしてそういう風に芸術が生活に溶け込むんだろう」と最初は憧れを抱いていましたが、でもその国で生まれ育っていくからこそ、自然とそのような感性を持っているのだなということに気づきました。僕が同じようなことをしても、同じようになろうとしても、それはただの「真似」になってしまうんだな、と。だから、僕は海外から刺激を受けて、栄養にして、それを自分の踊りにしていくことが合っているのではないかなと思うようになりました。これは海外に出たからこそ、気づけたことだと思っています。

― 本田さんは、大阪で勉強中とのことですが、同じ日本といえども感じることはあるのではないでしょうか?

宏瀬さん
道歩いていると、みんなによく話しかけられるやろ?「どっから来はったの?」とか(笑)

本田さん
そうですね(笑)街のエネルギーはものすごいです。
大学に入って、今まで自分が接したことのないような人たちとも接して刺激を受けています。学校の授業でも、日本舞踊の勉強をしたり。
そして、大阪に来て驚いたのは劇場が沢山あること。大きな劇場も。だから、僕、札幌にこうしてhitaruが出来たのがすごく嬉しかったんです!「レ・ミゼラブル」が札幌に来るなんて!
反面、札幌と大阪では観客数が違うよな…と思うところもあって。どうしたら沢山の人が観てくれるんだろう、と思ったりもします。

鈴木さん
そうだね、東京や大阪はもちろん札幌より人口が多いので、観客数に差が出てしまうという部分もあるとは思います。でも、それを理由にしていたら、いつまでも舞台を観る人が増えていかないですよね。いかにこの人口の中で、生の舞台を観てファンになってもらう人を増やすかが大事かなと思います。首都圏だと、1つの演目を何回もリピートする人がいるじゃないですか。「この世界が好き。この世界が好きだから、自分の仕事や生活もがんばれる。」というお客さんを増やす努力をしていきたいなと思います。

西野さん
ダンスに対しても、「好き」「嫌い」はあると思うけれど、「観てみたら、よかった」って思ってもらえることもあると思うんです。だから、ちょっとずつでも舞台を観たいという仲間を増やしていけたらなと思います。結局は、実際に観てもらわないとわからないことがあると思うんです。そして、こういう劇場があるのがいいね、ダンスをやってみたいなと思ってくれる人が生まれたら嬉しいですね。

鈴木さん
この劇場のことは、大学在学中に話を聞いていましたが、とても遠い世界のことだと思っていて。自分がそんな舞台に立てるというのは全くイメージしていませんでした。でもこうしてそのような公演ができるのは、宏瀬先生はじめ先輩方がこれまでずっと頑張ってこられたからこそじゃないかなと思っています。市民が参加できるこのような企画は本当に素晴らしいです。

宏瀬さん
本当に僕もこういう舞台に、ヒップホップやジャズダンスも立てると思っていなかった。とても幸せですね。そして、こうやって頑張っている若い子たちがいることが、僕もとても嬉しいです。舞台を観ていても「この人は、いい生き方をしてきたんだな」とか、身体に現れるものがありますからね。この先もいろんな人に出会って、恩を感じて、沢山吸収してがんばってもらいたいです。


「夢と希望がいっぱいで、会話が楽しいな」と宏瀬さんが満面の笑みでお話しされるほど、明るい未来を見ているような、キラキラとした眼差しでお話ししてくださる姿が印象的でした。
この公演は、これからさらに大活躍するであろう、若い3人の今の姿、情熱を感じられる舞台になること間違いなしです。

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