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コラム
オペラ公演がより楽しみになる、
さまざまなコラムをご紹介!
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![オペラ「ドン・ジョヴァンニ」公演をもっと楽しむためのブックガイド](img/don/column_03.png)
オペラ「ドン・ジョヴァンニ」公演を
もっと楽しむためのブックガイド
オペラ「ドン・ジョヴァンニ」公演をより楽しむためのブックガイドとして、札幌市図書・情報館のアート担当の司書の皆さまに、公演をより楽しむための素敵な本をセレクトいただきました。
こちらに紹介された書籍は、札幌市民交流プラザ1階・2階にある札幌市図書・情報館にてご覧いただけますので、ぜひ公演と合わせてお楽しみください。
![「面白いほどわかる!オペラ入門 名アリア・名場面はここにある!」表紙](img/don/column_03_01.jpg)
『面白いほどわかる!オペラ入門 名アリア・名場面はここにある!』
神木 勇介/著 青弓社 2023.5
オペラは身近にあります。劇場へ行けば、豪華な舞台や美しい音楽を堪能できます。映画館で上映されていることもあるし、配信された映像を自宅で楽しむことも簡単です。不安がらず一歩踏み出せば、すぐにオペラの世界に触れることができるのです。
本書では、オペラのどこに注目して観ればいいのか、いちばん盛り上がるのはどこなのか、オペラの観どころ、聴きどころをわかりやすく解説しています。
第1章で取り上げているのはモーツァルトのオペラです。「ドン・ジョヴァンニ」では主役のドン・ジョヴァンニと、彼を取り巻く3人の女性たちや従者の人物像、それぞれの見せ場となるアリアを紹介。
他にもワーグナー、ヴェルディ、プッチーニなど、合わせて11名の作曲家について、代表作や生涯を解説しています。オペラ鑑賞の基礎知識だけでなく、作曲家、オペラ史の理解も深まります。
オペラってなんだか難しそう。いきなり観て分かるかな?と不安な方に向けた、オペラ鑑賞を楽しむための1冊です。
さあ、オペラの世界へ飛び込みましょう!
井上
![「ドン・ジョヴァンニ オペラ対訳ライブラリー」表紙](img/don/column_03_02.jpg)
『ドン・ジョヴァンニ オペラ対訳ライブラリー』
モーツァルト/[作曲] 音楽之友社 2003.9
本書はモーツァルトの名作オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の対訳本で、いわば台本です。
オペラ初心者の方には、まず「ドン・ジョヴァンニ」の個性豊かなキャラクター達をマンガで紹介するhitaruの特設ページを見てから本書を読むのがおすすめです。脳内でキャラクターたちがより立体的に動き出します。(実演のキャストを推すもよし、マンガのキャラを推すもよしです!)
オペラの観劇経験がある上級者には、注釈とともに読み進めるのがおすすめです。ダ・ポンテによるこの台本は、ウィーン第1版、プラハ版、ウィーン第2版と存在し、本書ではさらにモーツァルトの手稿と合わせ、それらを比較し丁寧に説明されています。
訳者は、イタリア・フランス語に精通し多くのオペラ字幕の制作にも携わっている小瀬村幸子氏。彼女がいかにこの対訳にひたむきに向き合ったのか、その姿勢がうかがえる「訳者あとがき」までも読み応えがあります。
あらすじだけでは物足りないという方や、より深くストーリーに没入したい方にぴったりの1冊です。
渡辺
![「恋とはどんなものかしら 歌劇的恋愛のカタチ」表紙](img/don/column_03_03.jpg)
『恋とはどんなものかしら 歌劇的恋愛のカタチ』
朝岡 聡/著 東京新聞 2017.9
名作と呼ばれているオペラの数々は、「愛」が根底のテーマとして描かれているものが多いことをご存知でしょうか。『恋とはどんなものかしら』では、オペラの華麗な舞台で繰り広げられる多彩な恋愛模様を詳しく紹介しています。
例えば、女性を2000人以上口説いたひどくプレイボーイな人物を中心として展開される物語「ドン・ジョヴァンニ」。この作品では、愛の多様な形が描かれ、主人公の奔放さが観客を魅了します。
ほかにもさまざまなオペラの恋愛シーンを掘り下げて紹介しています。
分かりやすい解説つきで、オペラを観たことがない方でも内容を理解しやすい構成になっています。恋愛の喜び、悲しみ、裏切り、そして登場人物の感情の揺れ動きなどを通じて、オペラをより一層楽しむための新たな視点が見つかるかもしれません。
若林
![「オペラと音響デザイナー 音と響きの舞台をつくる」表紙](img/don/column_03_04.jpg)
『オペラと音響デザイナー 音と響きの舞台をつくる』
小野 隆浩/著 新評論 2010.1
シリーズ〈アーツマネジメント〉は、舞台芸術や劇場・ホールに関心を持つ人々に貴重な資料や情報を届けることを目的として、舞台芸術の各分野で活躍している専門家自身により執筆されているシリーズ本です。
『オペラと音響デザイナー』は、「歴史としてのオペラ」「知識としてのオペラ」「仕事としてのオペラ」の3章に分かれており、劇場の音響デザイナーである著者が、オペラの基礎知識を盛り込みながら作品が完成するまでの過程を解説しています。
数百年にわたり上演され続けている舞台芸術であるオペラは、聴覚と視覚の両方に訴えかける芸術です。音響技術がアナログからデジタルにシフトしても、舞台での音響の本質は変わらないものと、本書では語られています。
歌手の声や生演奏が舞台の影響を受けずに伝わるよう環境を整える音響デザイナーの視点で、オペラの魅力に迫る1冊です。
坪田
![「FASHION 世界服飾大図鑑」表紙](img/don/column_03_05.jpg)
『FASHION 世界服飾大図鑑』
キャリン・フランクリン/監修 河出書房新社 2013.10
オペラは音楽、演技、舞台美術が一体となった総合芸術であり、衣裳もその重要な要素のひとつです。豪華な衣裳は、物語の時代背景や登場人物のキャラクターを視覚的に表現し、観客を作品の世界へと引き込みます。
「ドン・ジョヴァンニ」は17世紀のスペインを舞台にした作品で、この時代の貴族社会の服装は、威厳と豪華さを象徴した格式高いスタイルでした。
『FASHION』には、世界各国の古代宮廷衣装から現代のファッション事情まで、詳しい解説と貴重な図版や写真が収録されており、17世紀のデザインも垣間見ることができます。オペラをより楽しむためにおすすめの1冊です。
船木
今回紹介された5冊のほか、オペラやモーツァルト、「ドン・ジョヴァンニ」の関連書籍の展示を札幌市図書・情報館 2階展示コーナーにて2025年3月11日(火)まで、実施しております。こちらもぜひチェックしてみてください。