1985年「演劇制作体 地人会」演出家・木村光一氏により公演されて以来、「地人会新社」へと引き継がれ、３８年の長きに渡って全国で愛されてきた朗読劇。
原子爆弾による被爆経験を記録でなく記憶に留めたいと、遺稿や手記、詩歌など膨大な資料の中からテーマを「母と子」に絞りまとめられた台本を、女優たちが画像と静かな音楽を背景に朗読するというシンプルな作品です。
当初は自主上演も推進されていましたが、2007年地人会の解散と共に停止され、台本の使用は許可されずにおりました。
しかし昨年７月の地人会新社最後の公演を機に嘆願したところ、幸いにも許可をいただけました。
細く切れそうになっては繋がってきたこの朗読劇の歴史には、手記を書いた方々の想いを途絶えさせてはいけないという多くの人々の意思を感じます。
朗読するのは普通の生活を送っていた人々の言葉です。
今回は木村氏の台本より一部を抜粋し上演いたします。