札幌文化芸術劇場 hitaru〈ヒタル〉が、地元のバレエ団体、
教育機関、実演芸術家などの協力を得て、
当劇場を舞台としたバレエを創造・発信する
「hitaru バレエプロジェクト」。
その第1回公演に出演するバレエダンサー、
上野水香氏と厚地康雄氏にお話を伺いました

story

それはクララの物語。
シュタールバウム家の娘クララは、毎年のクリスマスパーティーを楽しみにしていた。
あるクリスマスの夜、ドロッセルマイヤーの魔法により小さくなったクララにネズミ達が襲いかかる。そこに現れたくるみ割り人形は彼女を守り助けるが傷つき倒れてしまう。悲しむクララの願いと愛の思いにより、人形は青年へと姿を変え、二人は世界へと旅立つ。
空飛ぶ魔法の本に乗り各国を巡る途中、二人は不思議な城を見つけた。そこは美しい女王が治める魔法の城。かわいらしいお客さまの訪問に喜び、世界中の踊りをプレゼントする。華やかな踊りの後に、眠ってしまうクララ。目覚めた彼女の傍らには……。

上野水香
Mizuka Ueno

東京バレエ団 ゲスト・プリンシパル
◎金平糖の精役・10日出演

神奈川県出身。5歳よりバレエを始める。1989年、埼玉全国舞踊コンクール・ジュニアの部第1位。1993年、15歳でローザンヌ国際バレエコンクールにてスカラシップ賞を受賞した後、モナコのプリンセス・グレース・アカデミーに2年間留学。帰国後、古典全幕作品やローラン・プティ作品に主演。2004年、東京バレエ団に入団。数多くのレパートリー、主演出演経験があり、世界的ダンサーとの共演も多数。令和3年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

厚地康雄
Yasuo Atsuji

元バーミンガム・ロイヤル・バレエ プリンシパル
◎王子役・9日昼、10日出演

栃木県出身。2003年、NBAバレエコンクールにて審査員長特別賞を受賞。同年、英国ロイヤル・バレエ・スクールに留学。2006年、バーミンガム・ロイヤル・バレエに入団。2017年、ファースト・ソリストに昇格。2018年、マクミラン「ロミオとジュリエット」、アシュトン「リーズの結婚」の主役を演じ、同団初の日本人男性プリンシパルに。長身を生かしたダイナミックな踊りと幅広い役柄の演じ分けで高い評価を得ている。2022年、活動の拠点を日本に移す。

©︎Shoko Matsuhashi

―「hitaru バレエプロジェクト」に参加する意気込みをお聞かせください。
上野:札幌のバレエ界は、先生、ダンサー、関係者の皆さま、そして観客の方々の熱量が高く、そこでグランドバレエに参加できることが楽しみですし、自分の踊りで喜んでいただければ幸いです。
厚地:劇場が主催する公演と聞き、街全体の芸術に対する関心と情熱を感じました。全国的に見ても稀有なプロジェクトだと思います。北海道で踊れる喜びと共に、皆さまに素晴らしいものをお届けしなければならないという責任も感じています。
―バレエ「くるみ割り人形」の魅力を教えてください。
上野:くるみ割り人形は、クリスマスの子どもの夢をテーマにした作品。チャイコフスキーによる音楽も素晴らしく、夢の世界へ誘ってくれること間違いなしです。
厚地:チャイコフスキーの美しく壮大な音楽が一番の魅力で、一度は聞いたことのある名曲ばかりです。そこに踊りが重なると、観ていてワクワクすると思います。

―ご自身の役どころや注目のポイントをお聞かせください。
上野:私が演じる金平糖の精は、少女の夢の世界の女王そのもの。クララにとって理想の女性であり、キラキラとしたゴージャスな魅力を出せるといいなと思います。
厚地:今回演じる王子は、少女が夢見る憧れの存在。難しいパ・ド・ドゥ、ソロを難しく感じさせずに優雅に見せる。そこが自分にとっての挑戦であり、見どころだと思います。
―バレエダンサーとして大切にしていることは何ですか?
上野:舞台で120%の力を出して踊り、演じること。夢の世界を観客の皆さまにプレゼントできる存在であることです。
厚地:ダンサーの前に、一人の人間として健康であること。そして、なるべく自然に触れること。星や海を見ていると、心が豊かになり芸術性が高まる気がします。

©︎Gabriel Anderson

―札幌、北海道にまつわる感想やエピソードがあればお聞かせください。
上野:北海道は、海鮮や乳製品はもちろん最高ですが、実は北の和牛も大好きで、グルメは大きな魅力。そして、冬の雪も美しいですね。静かで切ないのに、どこか華やかさを感じます。
厚地:北海道は星がきれいで、感動したのを覚えています。そして空気も食べ物もおいしい。素直ですてきなダンサーは、そういった環境から生まれるのだと思います。
―最後に、読者、観客の皆さまへメッセージをお願いいたします。
上野:ぜひ劇場に足を運んでいただき、良きひとときをシェアしましょう!
厚地:あまり北海道で踊る機会がなかったので、僕自身本当に楽しみにしています。バレエが好きな方も、まだ観たことがない方も、劇場に足を運び、冬のすてきな思い出を一緒に作りましょう!

hitaru バレエプロジェクト
「くるみ割り人形」<全幕>

振付演出:千田雅子 指揮:冨田実里
管弦楽:札幌交響楽団

2023年12月9日[土]・10日[日]
札幌文化芸術劇場 hitaru
① 12月9日[土] 開演13:45
② 12月9日[土] 開演18:30
③ 12月10日[日]開演13:45
※開場は、各開演時間の45分前
上演予定時間:約2時間30分(休憩含む)

全席指定・税込
S席11,000円、 A席8,000円、 B席6,000円、
C席4,000円、 D席3,000円
U25席各種2,000円引き
◎メンバーズ先行発売 7/22[土]10:00
◎一般発売 8/5[土]10:00

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