2025
APR-MAY

4-5

幼児教育番組「ひらけ!ポンキッキ」の美術を担当し、後年は札幌市立大学の教授を務めたアートディレクター・望月澄人氏の回顧展。パートナーであり、墨絵アーティストの横須賀令子氏がディレクションにあたり、原画や立体作品、CGアートを展示します。

主催者からのコメント
指導者を務める傍ら、芸術家・アートディレクターとしての創作活動にも取り組んでいた望月澄人。彼が遺した作品の数々を、たくさんの方に見てもらいたいとの思いで企画した回顧展です。見どころは著書『マサカヤ亭奇譚』のユニークな世界観と魅力的なキャラクターの数々、さらに童話の深層世界を3Dのシンボリックなオブジェで表現したCG作品など。メルヘンかつファンタジックな世界観のアートを多角的に表現します。

横須賀令子 Reiko Yokosuka
茨城県ひたちなか市生まれ。1981年専門学校卒業製作「幻」(16mm)から短編アニメーション制作を始める。和紙に墨で描く筆絵ならではのタッチや、にじみを生かした独特の世界観の手描きアニメーションを多数発表。NHK「みんなのうた」などのTV番組やCMのアニメを手掛けるほか、海外の映画祭での上映も多数。96年3月より札幌に移住。

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札幌市出身の作曲家・石垣絢子氏の個展シリーズ「言葉と音楽」は、日本の美しい言葉に焦点を当てた作品演奏会。今回は書家の小杉卓氏を迎え、書のライブパフォーマンスと石垣絢子氏の音楽を融合させた作品を披露。札幌交響楽団のヴァイオリニスト・佐藤郁子氏による新曲初演も行います。

主催者からのコメント
2015年に始動したこのシリーズでは、詩を用いた歌曲や童話の朗読付随音楽を中心に作曲、発表してきました。今回は文字としての言葉に注目し、書の筆捌き、和紙の擦れる音、墨の香りを音楽と融合させた作品をお届けします。また、私が作曲を志すきっかけとなった作曲家ラヴェルの生誕150年を記念して、名曲「ボレロ」をヴァイオリンとピアノと書という編成で披露します。公開リハーサルも予定しています。

⽯垣 絢⼦ Ayako Ishigaki
札幌市出身。作曲家・ピアニスト。東京藝術⼤学⾳楽学部作曲科卒業、同⼤学院修了。2008年奏楽堂⽇本歌曲コンクール作曲部⾨中⽥喜直賞の部優秀賞、2024年同作曲部⾨第2位。2017年札幌市⺠芸術祭新⼈⾳楽会⼤賞(作曲部⾨初)、2021年・2023年札幌市⺠劇場奨励賞。異業種アーティストとのコラボや⼦ども⾳楽ワークショップ講師など、多⽅⾯で活動中。

身のまわりに潜む音や光などの根源的な現象に着目したインスタレーション作品やサウンドパフォーマンスを発表してきた宮本一行氏。今回は、大雪山系を舞台に紡いだサウンド・インスタレーションを展示。舞台の上の行為を通して、雪面の変化が体感できます。

主催者からのコメント
北海道中央部に位置する大雪山系を「一定の歩調」で歩くことを試みた作品《雪面の歩行》(2023)を主軸に展開するサウンド・インスタレーションの作品展です。また、2024年から取り組んでいる部活動「アクティブ・サウンドウォーク札幌」の成果物も合わせて展示します。北海道では初の個展となりますが、周辺環境との対話を試みる独自の作曲技法でつくりあげた、耳だけでなく「身体」で捉える音の世界を、ぜひ体験しにきてください。

宮本 一行 Kazuyuki Miyamoto
アーティスト。1987年千葉県生まれ。2024年秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科複合芸術専攻(博士)修了。現在は札幌大谷大学芸術学部専任講師。主な個展に「接触の形跡」(2020年/秋田・ブルーホール)ほか。アジアデジタルアート大賞優秀賞(2020年)など受賞歴多数。
https://www.kazuyuki-miyamoto.com/

北海道の現代アート界を牽引するCAI現代芸術研究所の代表・端聡氏が総合演出にあたるこの公演は、あらゆるジャンルの音楽と映像、建築、美術がシンクロする「音の建築彫刻」がテーマ。SCARTSコート内に最先端のアート空間をつくり出します。

主催者からのコメント
音の周波数を変化させることで音楽は成立している。音楽とは音の波による彫刻、あるいは限られた空間範囲で反射された音による建築と言い換えてもいいのかもしれない――そう考えるサウンドアーティストの大黒淳一、建築家でありフルート奏者の畠中秀幸、シンガーソングライターの小川紗綾佳、作曲家でありピアニストの有馬圭亮らが集結。さまざまなジャンルの音楽が交差する先進的かつ実験的な現代アートの試みに、ぜひご期待ください。

CAI現代芸術研究所/CAI 03
芸術の表現、創造性が、現代社会が求める創造的な生き方に繋がると考え、芸術と人々を結ぶ架け橋になることを目標に2000年、北海道発の現代アート研究所として誕生。現在は札幌市中央区の護国神社裏に拠点を移し、国内外の現代アート展示を行うギャラリー運営、アートを通した国際交流や文化事業の企画運営など、新しい芸術文化の紹介を目的に活動中。