2025
APR-MAY

4-5

——お二人が考えるオペラの魅力について教えてください。
小林:オペラの魅力は一言では表せません。それぞれのオペラの内容の面白さや曲自体の美しさはもちろん、オーケストラ、合唱団、ソリストが出す生の音が合わさり演奏される音楽的な魅力、舞台美術や衣裳などの視覚的な魅力と見どころ満載です。そして、歌い手としては何としても「声の魅力」を推したいです。マイクを通さない生の歌声に乗せて、その役の魂や音楽の美しさを客席にお届けすることに命をかけています!
大西:人間が持つ声そのものの迫力と、歌が生み出すさまざまなドラマだと思います。音楽が時に対話をしたり、感情を補完したり、さまざまな要素が絡み合い、多彩な表情を見せてくれるのが魅力です。まだオペラにあまり触れたことのないお客さまにも、そういった音楽の楽しみ方をぜひ体験していただきたいです。
——今回の公演で歌唱する曲目についての思いをお聞かせください。
小林:今回のコンサートは歌曲、オペラ、オペレッタとさまざまな声楽作品を取り上げます。5年間住んでいたウィーンで学んだドイツ歌曲、実際オペラに出演して歌った大好きなアリアと重唱、どれも名曲ぞろいで思い入れのある作品ばかりです。
大西:私たちが普段から演じているオペラの名場面を多く取り上げています。特に「ドン・ジョヴァンニ」は、2023年に兵庫県立芸術文化センターで小林さんと共に演じ、大好評をいただいたオペラです。今回はそのハイライト的な部分を楽しんでいただければと思います。

——今回の公演の見どころ、聴きどころを教えてください。
小林:今回のコンサートは素晴らしいスター、バリトンの大西さんと二人でお届けします。それぞれのソロはもちろん、私と大西さんの二人だからこそお伝えできる二重唱の声の重なりや掛け合いをお楽しみいただければと思います。そして、河原忠之さんの色彩豊かなピアノ演奏もお楽しみください。
大西:小林さんと私ならではのプログラムで、歌曲からアリア、オペラの重唱まで、多彩な曲をお楽しみいただけるコンサートとなっています。特に二重唱は迫力満点で、オペラ特有の音楽での対話を存分に味わっていただけると思います。
——音楽家として大切にしていること、こだわっていることは?
小林:歌い手ですので、何より「声」を大切にしています。体が楽器ですので、その日のコンディションやホールの響き、歌う作品によって変わります。その時のベストな「声」を日々調整しながらお届けしています。歌は「言葉」を持つ唯一無二の音楽。「言葉」を客席に伝えること、それぞれの国の原語の魅力をお伝えすることにこだわっています。
大西:私も言葉を伝えることを大切にしています。言葉は音楽解釈のヒントにもなりますし、たとえ外国語であっても、表情が伝わるような表現を常に目指しています。

——札幌や北海道について、どのような印象をお持ちですか?
小林:札幌には演奏でも旅行でも何度も訪れましたが、本当に大好きな街です。サイズ感もちょうど良く、美しく、訪れるといつもたくさん歩いてお散歩するのが楽しみです。今年の夏は子どもたちの夏休みに合わせて北海道旅行を計画しているので、おすすめの場所があったら教えてください!!
大西:私も北海道には第九やコンサートで何度か訪れたことがあります。また、高校の修学旅行で訪れた思い出もあり、美しい風景とすべてのものがおいしいという印象があります。今年は北海道で演奏会に出演させていただく機会をたくさんいただき、とても感謝しています。
——初めてオペラを観に来る札幌のお客さまへメッセージをお願いいたします。
小林:オペラってよくわからない、難しそう、ハードルが高いという声を良く聞きますが、今回はぜひ肩の力を抜いて気軽な気持ちで足をお運びいただけたらうれしいです。生の声を通してさまざまな声楽作品の魅力をお楽しみいただけるコンサートにしたいと思います! 会場で皆さまにお会いできることを、心から楽しみにしています。
大西:多彩なプログラムをご用意しており、初めてオペラを観る方にとって最適なコンサートだと思います。私自身も、皆さまに音楽をお届けすることを心から楽しみにしています!

東京藝術大学および同大学院修了。2010~15年ウィーンとローマにて研鑚を積む。2012年ソフィア国立歌劇場「ジャンニ・スキッキ」で欧州デビュー。多くの新作オペラ初演を務めるほか、2015年・2020年野田秀樹演出「フィガロの結婚」、2017年藤原歌劇団「カルメン」、2019年全国共同制作オペラ「ドン・ジョヴァンニ」、2021年「夕鶴」、姫路市文化コンベンションセンター「千姫」、2023年井上道義「降福からの道」、兵庫県立芸術文化センター「ドン・ジョヴァンニ」など話題作に続々出演。リサイタルも各地で行い、2019年2月にはロンドンのウィグモアホールにてソロリサイタルを開催。英、独、仏、伊、日、5カ国の作品を歌唱、現地評で絶賛される。また、マーラー交響曲第4番、フォーレ「レクイエム」ほかソリストとして多くのオーケストラと共演。2019年サードアルバム「日本の詩(うた)」をリリース。2017年第27回出光音楽賞、2019年第20回ホテルオークラ賞受賞。日本声楽アカデミー会員。藤原歌劇団団員。大阪芸術大学准教授。

武蔵野音楽大学、同大学院、ジュリアード音楽院修了。シカゴ・リリック歌劇場にてデビュー。2019年、セイジオザワ松本フェスティバルにて「エフゲニー・オネーギン」でセンセーショナルな日本オペラデビュー以降、国内外の歌劇場で活躍。昨今では「ドン・ジョヴァンニ」のタイトルロール、野村萬斎演出の「こうもり」、BCJ「魔笛」パパゲーノ役等で卓越した歌唱力と演技力が絶賛された。2025年2月にダラス・オペラ「ラ・ボエーム」マルチェッロ役、5月にはミネソタ・オペラ「セビリアの理髪師」フィガロ役でデビュー予定。オーケストラ声楽作品のレパートリーはバロックから現代曲まで幅広く、またリサイタルの楽曲構成は、知性に富んだ独自性が高く評価されている。五島記念文化賞オペラ新人賞、日本製鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞、第25回(2023年度)ホテルオークラ音楽賞、令和5年度(第74回)芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。CD「詩人の恋」(ピアノ:小林道夫)をBRAVO RECORDSよりリリース。公式ホームページhttps://takaoki.com/

hitaruのひととき

小林沙羅×大西宇宙
華麗なるオペラ名曲コンサート

2025 6.22[日] 札幌文化芸術劇場 hitaru
14:00開演〈13:00開場〉

プラザメンバーズ先行発売 3.29[土]10:00-
一般発売 4.5[土]10:00-
全席指定・税込
一般4,000円/障がい者割引 3,000円/U25 2,000円

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関連事業

トークイベント & 公開レッスン

2025 6.21[土]クリエイティブスタジオ
17:00-18:45(予定)

チケット発売 4.5[土]10:00-
定員100名
チケット料金500円

小林沙羅、大西宇宙の2名を講師に迎え、
トークイベントと、地元の歌手を対象に公開レッスンを行います