札幌文化芸術交流センター
SCARTS(スカーツ)では、
札幌の文化芸術の振興を図ることなどを目的に、さまざまな個人・団体を対象とした
事業企画公募を毎年実施しています。
今回は、2024年度採択事業
「あわいのいきものたち」の実行委員会から、
石橋玲氏と橘春香氏に、この企画が立ち上がったきっかけや創作の舞台裏について伺いました。
8人のアーティストが生み出す
〈あわい(間)〉の不思議
家で共に暮らす猫たちが、何もいないはずの天井の片隅をじっと動かず見つめていたり、赤ちゃんが目に見えない誰かとキャッキャと楽しそうに遊んでいたり。日々の暮らしのなかで、こうしたちょっと不思議な出来事を体験したことはありませんか?
都市と自然、夢と現実、この世とあの世―。「あわいのいきものたち」は、物事の狭間(はざま)を意味する〈あわい(間)〉に着目し、そこに棲息する一風変わったいきものたちと出合える体験型の展示イベントです。札幌で活躍する絵本作家や俳優、編集者、映像作家ら計8人の女性アーティストによる合同展でもあります。
「天井が高く、設備や機材も充実しているSCARTSコートなら、いろんなことができるんじゃないかと可能性を感じていました。さらに『絵本作家さんたちの豊かな想像力を生かせば、これまでにない面白い何かができるはず』と思いついて声をかけたのがきっかけになりました」。そう話すのは、発起人でもある朗読家で俳優の石橋玲氏です。
「札幌は都市と自然が絶妙なバランスで調和している稀有で素晴らしい街。日本は戦後から今も物質主義が優先されがちですが、札幌のこの在り方はお手本になるのでは?と思います。人間も自然の一部です。都会と自然などの〈あわい(間)〉において、見えるもの、見えないもの両方を感じる、もともと日本人が持っているであろう感受性を来場者の皆さまにお届けできれば」と橘春香氏が解説してくれました。
作家陣がそれぞれのイメージでつくるオブジェクトやお面を影絵に仕立て、CG映像や音響効果も駆使して、おとなもこどもも楽しめる空間を創出。また、ライブパフォーマンスやワークショップ、オリジナル絵本の販売など、多彩な展開を予定しています。
「ここで出合ったいきものたちが、実は普段の暮らしのなかにも潜んでいるじゃないか、と地続きに感じてもらえれば、うれしいですね」(橘氏)、「まずは会場のあちこちを歩いて、五感で感じてもらえれば」(石橋氏)、とそれぞれ抱負を語ってくれました。
「あわいのいきものたち」
実行委員会
かとうまふみ(絵本作家・指人形作家)
すずきもも(絵本作家・イラストレーター)
橘春香(イラストレーター・絵本作家・童話作家)
ひだのかな代(絵本作家・イラストレーター)
マット和子(イラストレーター・絵本作家)
石橋玲(朗読家・俳優)
古川奈央(「俊カフェ」店主・編集者・詩人)
川田理恵(ウェブデザイナー・映像作家)
あわいのいきものたち
2024年10月12日[土]- 10月20日[日]
10:00〜18:00
SCARTSコート
入場無料