2020年に惜しくも中止となった公演が、今年11月、ついに実現します。
そこで今回は、1987年の結成以来、リーダー兼芸術監督を務める作曲家のマイケル・マクグリン氏のインタビューをお届けします。
—アヌーナは過去8回にわたる来日公演、能と共演した「ケルティック能『鷹姫』」、ゲーム音楽やアニメ音楽への参加など、日本でも精力的に活動してきました。改めて日本について、どのような印象や感想をお持ちですか。
日本では訪れるたびに素晴らしい体験ができますし、これまでの20年にわたるつながりに感謝の気持ちを抱いています。島国であるアイルランドと日本は、土地や海といった自然から得られる感覚を芸術や音楽に反映している点が共通しています。もっと言えば、アイルランド人と日本人は、ユーモア感覚も似ていますよね。ソーシャルメディアを通じて世界はますます狭くなりましたが、日本の独特な魅力は、やはり実際に体験するのがいちばんだと思っています。
—今回が初の北海道公演になります。期待していることはありますか。
アイルランドと同じように、日本もまた、地方によってさまざまな個性があります。北海道の人たちは温かく、親しみやすいと伺っていますので、皆さんとの出会いを心から楽しみにしています。また、私は郷土料理が大好きで、特に地酒は欠かせません。アイルランドではジャガイモや乳製品、サーモンが味覚の定番ですが、北海道ならではのおいしい料理の探求も楽しみですね。
—クリスマスの気分が高まる時期の開催となりますが、どんなプログラムになりそうですか。
私たちの公演は、地域の文化の影響を受けた音楽を取り入れているのが特徴です。例えば、ヨーロッパにはクリスマスキャロルの伝統がありますが、私たちの場合は季節そのものを豊かに映し出すことを目指します。今回は新しいアルバムから季節感あふれるスペシャルな曲をお届けする予定です。
—最後にコンサートやワークショップを楽しみにしている方々にメッセージを。
札幌の皆さんに、私たちが40年近くかけて培ってきた独自の歌唱技術や経験をお届けする日が待ち遠しいです。また、ワークショップによって生まれる特別なつながりは、すべての人にとって忘れられない思い出になると信じています。歌を仕事にされている方の参加も大歓迎です。皆さんと出会い、交流を深めることは、私たちの活動のハイライトであり、それ以上の喜びはありません。
ANÚNA〈アヌーナ〉
中世アイルランドの聖歌・伝統歌や自作曲を、ラテン語、英語、ゲール語を巧みに組み合わせた歌詞と、現代的かつシュールなアレンジで聴かせ、世界を魅了するコーラスグループ。現在は30名近くの若きシンガーが在籍。2005年の初来日以来、過去8回来日。2017年に日本の能と共演した「ケルティック『鷹姫』」は各方面から高く評価された。国際的なゲーム音楽の賞「Annual Game Music Awards」の年間最優秀アーティスト賞も受賞している。
11月25日[月]
19:00開始〈18:30開場〉
◎料金:500円〈税込〉
◎定員:50名(予定)
アヌーナの芸術監督であり、作曲家のマイケル・マクグリン氏を講師にお迎えし、アヌーナ特有の歌唱法を、hitaruの舞台上で体験いただくワークショップを行います。
hitaruのひととき
ANÚNA
Mystical Celtic Chorus
~アヌーナ 神秘のケルティック・コーラス~
2024年11月26日[火]
札幌文化芸術劇場 hitaru
開演18:30 ※開場は開演の1時間前
一般3,000円、U25 1,500円
全席指定・税込