2024
JUN-JUL

6-7

見やすさと座り心地を徹底的に追求した座る人を柔しく包む、hitaruオリジナルのイス

「札幌文化芸術劇場 hitaru〈ヒタル〉」は、札幌市民交流プラザの中核的な施設です。道内初の多面舞台や音響設備など、お伝えしたい話題は多々あるのですが、今回は「劇場のイス」にフォーカス。細部まで計算し尽くされた、こだわりのポイントをご紹介します。
まず、hitaruの客席は3層バルコニー形式で、鑑賞しやすいよう上階に行くほど傾斜がついていますが、イスの背もたれの角度も、階層や場所によって最大8度の違いがあることをご存じでしたか?1階席は体をあずけられるよう少し倒し気味で、4階席は、舞台を見下ろしやすいよう背もたれを立たせているのです。さらに腰を下ろす座面も、席の並びや場所に合わせてそれぞれ設計を変えています。

イスのフレームには、北海道産の天然カバ材が使われています。クッションは、座り心地にとことんこだわり、設計時には硬度の異なるさまざまなウレタンで座り比べを実施。男女や体格による偏りが生じないよう、多くの劇場スタッフが参加して、理想の座り心地、シートラインを探りました。
クッションの張地は、北海道の自然、文化をモチーフにした特注のジャガード織。遠目から見ると、張地全体のグラデーションが雄大な大地や風景を思わせ、近づいて見ると、北海道の風土や伝統文化を感じさせる柄が、1本のラインのように織り込まれています。見やすさや座り心地はもちろん、文化芸術空間にふさわしい風格も備えたhitaruのイス。ゆったり背もたれに体をあずけ、そのこだわりを実感してください。
プラザ P-FOCUS
バックナンバー