札幌文化芸術劇場 hitaru〈ヒタル〉が、
地元のバレエ団体、教育機関、実演芸術家などの協力を得て、
当劇場を舞台としたバレエを創造・発信する
「hitaru バレエプロジェクト」。
2023年12月9日・10日に
第1回公演「くるみ割り人形」(全幕)が開催されました。
今回は9日昼公演の鑑賞レポートをお届けします。
「くるみ割り人形」は、12月に世界各地で上演されることが多いクリスマスの物語。世界三大バレエに挙げられるバレエの名作です。この日、hitaru バレエプロジェクトの第1回公演にはたくさんの人々が訪れ、ホワイエの光のツリーやフォトスポットの前では、スマホで撮影し合う人たちの楽しげな姿も。満席の会場は、ボルテージが高まっていきました。
序曲と共に幕が上がると、山田優七氏が演じるクララがお気に入りのソファに座って楽しいクリスマスを思い描いている場面。背景に主なキャストを大きく映し出す演出で、第1幕が始まりました。
舞台は、クリスマスイブのシュタールバウム市長の邸宅。クリスマスツリーが飾られ、テーブルにはワインや料理が並んでいます。舞台美術を担当した松生紘子氏によると、屋内のクリスマスツリーと対比させるように、窓の外に雪化粧のもみの木を配置したのだとか。
パーティーが始まると、舞台は大にぎわいです。子どもたちははしゃぎ、大人たちは語り合い、ダンサーたちの軽やかな踊りが、楽しい宴を盛り上げます。
「くるみ割り人形」は、12月に世界各地で上演されることが多いクリスマスの物語。世界三大バレエに挙げられるバレエの名作です。この日、hitaru バレエプロジェクトの第1回公演にはたくさんの人々が訪れ、ホワイエの光のツリーやフォトスポットの前では、スマホで撮影し合う人たちの楽しげな姿も。満席の会場は、ボルテージが高まっていきました。
序曲と共に幕が上がると、山田優七氏が演じるクララがお気に入りのソファに座って楽しいクリスマスを思い描いている場面。背景に主なキャストを大きく映し出す演出で、第1幕が始まりました。
舞台は、クリスマスイブのシュタールバウム市長の邸宅。クリスマスツリーが飾られ、テーブルにはワインや料理が並んでいます。舞台美術を担当した松生紘子氏によると、屋内のクリスマスツリーと対比させるように、窓の外に雪化粧のもみの木を配置したのだとか。
パーティーが始まると、舞台は大にぎわいです。子どもたちははしゃぎ、大人たちは語り合い、ダンサーたちの軽やかな踊りが、楽しい宴を盛り上げます。
そしてドロッセルマイヤーが人形劇を披露し、クララにくるみ割り人形をプレゼントすると、物語は動き始めます。弟のフリッツがくるみ割り人形を壊したことで、舞台は騒然とした雰囲気に。やがてパーティーは終わり、あたりに静寂が訪れます。真夜中、くるみ割り人形のことが気になったクララが広間に戻ってくると、クリスマスツリーやプレゼントボックスがみるみるうちに大きくなり、見上げるほどの大きさに。一瞬のうちに世界が変わる演出がみごとです。
通常、ここでクララを襲うのはネズミの王ですが、今回はネズミの女王という設定。そのネズミたちとの戦いで、傷ついたくるみ割り人形。そこにドロッセルマイヤーが現れて魔法をかけると、くるみ割り人形は精悍な人間の青年に姿を変えます。舞台は一転し、手を取り合って旅立つクララと王子。クララは、不思議と大人の女性らしい雰囲気を漂わせています。舞台は白銀の世界へと変わり、白の衣装をまとった雪の女王と雪の王、雪の精たちが美しく舞い踊り、大喝采と共に第1幕が結ばれました。
休憩の間、ホワイエでは観客の人々が思い思いに幸せな余韻に浸っていました。クリスマスにかけられた魔法は、みんなの心を動かしているようです。
そしてドロッセルマイヤーが人形劇を披露し、クララにくるみ割り人形をプレゼントすると、物語は動き始めます。弟のフリッツがくるみ割り人形を壊したことで、舞台は騒然とした雰囲気に。やがてパーティーは終わり、あたりに静寂が訪れます。真夜中、くるみ割り人形のことが気になったクララが広間に戻ってくると、クリスマスツリーやプレゼントボックスがみるみるうちに大きくなり、見上げるほどの大きさに。一瞬のうちに世界が変わる演出がみごとです。
通常、ここでクララを襲うのはネズミの王ですが、今回はネズミの女王という設定。そのネズミたちとの戦いで、傷ついたくるみ割り人形。そこにドロッセルマイヤーが現れて魔法をかけると、くるみ割り人形は精悍な人間の青年に姿を変えます。舞台は一転し、手を取り合って旅立つクララと王子。クララは、不思議と大人の女性らしい雰囲気を漂わせています。舞台は白銀の世界へと変わり、白の衣装をまとった雪の女王と雪の王、雪の精たちが美しく舞い踊り、大喝采と共に第1幕が結ばれました。
休憩の間、ホワイエでは観客の人々が思い思いに幸せな余韻に浸っていました。クリスマスにかけられた魔法は、みんなの心を動かしているようです。
第2幕で空飛ぶ魔法の本に乗って世界を旅したクララと王子が見つけたのは、愛にあふれた女王が治める魔法の城。ハートをモチーフに雪の結晶と組み合わせた舞台美術は、愛に満ちた世界を演出し、ダンサーたちのカラフルな衣裳と共に鮮やかに彩ります。
女王は二人の訪問を喜び、世界中の踊りをプレゼントします。情熱的なスペインの踊り、エキゾチックなアラビアの踊り、コミカルな中国の踊り、力強いロシアの踊り、エレガントなフランスの踊り、そして、花の精たちとクララ、くるみ割り人形が踊る「花のワルツ」。各国の衣装をまとったダンサーたちの踊りで会場は大いに盛り上がり、拍手と「ブラボー!」の声が飛び交いました。
そして、宴はいよいよクライマックスへ。王を演じた厚地康雄氏のダイナミックな踊り、女王を演じた北海道出身の佐々木麻菜氏の繊細かつ優雅な舞に魅了され、会場はいつまでも終わってほしくないような幸福感に包まれました。
いつの間にか眠ってしまったクララ。すると、場面は一転してクララの部屋へ。すべては幸せな夢だったのか、クララがくるみ割り人形を抱きしめて幕が下りると、会場に万雷の拍手が鳴り響き、客席に感動があふれました。
トップクラスのダンサーと北海道のダンサーたちによる踊り、札幌交響楽団による演奏で、何ものにも代えがたい感動をもたらした今回の第1回公演。きっと、会場を訪れたすべての人の心に、温かいクリスマスの灯がともったはずです。
第2幕で空飛ぶ魔法の本に乗って世界を旅したクララと王子が見つけたのは、愛にあふれた女王が治める魔法の城。ハートをモチーフに雪の結晶と組み合わせた舞台美術は、愛に満ちた世界を演出し、ダンサーたちのカラフルな衣裳と共に鮮やかに彩ります。
女王は二人の訪問を喜び、世界中の踊りをプレゼントします。情熱的なスペインの踊り、エキゾチックなアラビアの踊り、コミカルな中国の踊り、力強いロシアの踊り、エレガントなフランスの踊り、そして、花の精たちとクララ、くるみ割り人形が踊る「花のワルツ」。各国の衣装をまとったダンサーたちの踊りで会場は大いに盛り上がり、拍手と「ブラボー!」の声が飛び交いました。
そして、宴はいよいよクライマックスへ。王を演じた厚地康雄氏のダイナミックな踊り、女王を演じた北海道出身の佐々木麻菜氏の繊細かつ優雅な舞に魅了され、会場はいつまでも終わってほしくないような幸福感に包まれました。
いつの間にか眠ってしまったクララ。すると、場面は一転してクララの部屋へ。すべては幸せな夢だったのか、クララがくるみ割り人形を抱きしめて幕が下りると、会場に万雷の拍手が鳴り響き、客席に感動があふれました。
トップクラスのダンサーと北海道のダンサーたちによる踊り、札幌交響楽団による演奏で、何ものにも代えがたい感動をもたらした今回の第1回公演。きっと、会場を訪れたすべての人の心に、温かいクリスマスの灯がともったはずです。
HTB on ライン劇場(hod)
hitaru バレエプロジェクト
「くるみ割り人形〈全幕〉
オンライン配信」
販売期間:
2023年12月23日[土]10:00から
2024年2月29日[木]23:59
内容:12月9日[土]昼公演のアーカイブ配信
視聴期間:購入時から15日間視聴可能
視聴料:2,000円〈税込〉
◉お問い合わせ|札幌市民交流プラザ劇場事業課
TEL 011-271-1950(9:00-17:00 休館日を除く)
※チケット購入方法などの詳細は公式ホームページをご覧ください。