北海道教育大学岩見沢校は年に一度のペースで札幌文化芸術センターSCARTS(スカーツ)と連携し、コンサートを実施しています。近年は「ジャズとクラシックの出会い」をテーマに据えていましたが、今回はさらに視野を広げて「新大陸とクラシック音楽」を新たなテーマとして設定しました。
指導にあたる芸術・スポーツ文化学科音楽文化専攻の大久保光哉准教授は、「一般的にクラシックと言えばヨーロッパが中心というイメージが強いかもしれませんが、実際には南北アメリカにルーツをもつ作曲家が手掛けた名曲もたくさんあります。新大陸にゆかりのあるクラシック音楽への造詣を深めながら、演奏を通してその魅力を表現してもらえれば‒そんな意図で学内オーディションを行いました」と狙いを話します。
学生たちは今回のコンセプトに沿った作曲者の中から、専攻する楽器や興味に応じて選曲し、時代や作品の背景を掘り下げて理解を深めつつ、演奏を仕上げてオーディションに臨みました。
「こうしたコンセプトの演奏会はなかなかありませんし、クラシックのファンの皆さまに楽しんでいただける意外性のあるプログラムになっていると思います。ぜひ会場でお聴きください」と、出演者を代表して橋本芽育氏がコメントを寄せてくれました。
セルゲイ・プロコフィエフ 作曲
ピアノ・ソナタ第2番 Op.14
演奏:宮﨑夏帆(ピアノ)
全4楽章で構成されたソナタですが、それぞれが個性的で、革命や戦争の時代を生きたプロコフィエフだからこそ生み出すことができた独創的な作品だと思います。ときおり垣間見える滑稽さや風刺のエッセンスを、演奏を通して表現できればと考えています。
ジョン・ケージ 作曲
4分33秒
演奏:山口琴香(ピアノ)
アメリカの音楽家ジョン・ケージの代表曲ですが、私自身、コンサートで聴いたことはありませんし、演奏するのももちろん初めて。「どうなるのかな?」というワクワク感でいっぱいです。当日の会場の雰囲気を皆さんと一緒に楽しみたいと思います。
エイトル・ヴィラ=ロボス 作曲
ソプラノサックスのためのファンタジア
演奏:橋本芽育
(サクソフォン)
山口琴香(ピアノ)
ブラジルで生まれ育ったヴィラ=ロボスは、ブラジル音楽のエッセンスをクラシックに落とし込んだ作曲家として、広く知られています。この曲はソプラノサクソフォンとピアノで奏でる名曲ですが、南米らしい色彩感あふれる音色に注目してほしいですね。