エントランスで来館者を迎え入れる
“札幌のかたち”をモチーフにしたアート作品
札幌市民交流プラザのエントランスに常設されているアート作品「凹みスタディ─札幌のかたちを巡る 2018─」。西側エントランスの「札幌のかたち」、吹き抜け壁面に並ぶ「札幌かたち図鑑」、東側エントランスの「札幌の凹みスタディ」の3作品で構成されていますが、その3点とも、実はある一つの〝かたち〟がもとになっていることをご存じでしょうか?
作者は札幌出身で、現在はベルリンを拠点に活動する彫刻家・谷口顕一郎氏。道路のひび割れや壁面のキズなどの「凹み」を写し取り、その型で立体彫刻を制作するという独自の手法で創作活動を展開しています。
本作もそのメソッドで作られており、「札幌のかたち」は、札幌付近の航空写真から市街地と自然・水際の境目、点在する緑地、公園などの輪郭(凹み)を、実際の6600分の1のサイズで写しとったもの。それをもとに、河川の流れなどに沿って51のパーツに分けて図鑑のように並べたのが、「札幌かたち図鑑」です。さらにそのパーツを蝶番でつなぎ、さまざまな方向に折りたたんでかたちを研究(スタディ)して誕生したのが、黄色い花束を連想させる「札幌の凹みスタディ」。つまり「札幌の凹みスタディ」を広げると「札幌のかたち」に、分解すると「札幌かたち図鑑」にと、3つの作品が円環的につながっているのです。
それを踏まえて3つの作品を鑑賞すれば、また違う見え方や、新しい気づきがあるはず。想像の翼を自由に広げて、自分だけの見方や楽しみ方を探してみてください。
それを踏まえて3つの作品を鑑賞すれば、また違う見え方や、新しい気づきがあるはず。想像の翼を自由に広げて、自分だけの見方や楽しみ方を探してみてください。
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