旋律とグルーヴが響き合う
―お互いの印象と、今回の共演に期待することをお聞かせください。
木嶋:大林さんの演奏は、楽曲一つひとつに対するキャラクターが全く違うんです。クラシックの場合はあまり変わることがなく、まさにこういうアーティストになりたいと思いました。
大林:真優さんの演奏にはオーラやエネルギーがあり、さまざまな旋律をしっかり輝かせる素晴らしい感性をお持ちだと感じます。いろいろな雰囲気の楽曲を一緒にやってみたいですね。
―クラシックとジャズのコラボレーションの魅力は?
木嶋:2年前から私が取り組んでいるのは、すべて自分でクリエートしていくというクラシックとは真逆の世界。でも、やっていくと音楽の共通点がたくさんあるんです。大林さんと私の音楽がシームレスに、ボーダレスに融合し、新しい表現の形を作れたらいいですね。
大林:ジャズもクラシックと同様に西洋音階や理論から生まれていて、名前こそ違えどルーツは同じだと言えます。そういう共通点を洗い出すことで、一見別に見える両者をシームレスにつなぐことができるのではないかと思います。
―公演に向けたビジョンや意気込みは?
木嶋:クラシックは何百年も前の作曲者の意図を忠実に表現することを求められますが、同じ時代の中で対話し、共に生きている人と一緒に音楽を作ることがいかに大切か。それを実践できることがとてもうれしいし、聴きどころだと思います。ここ数年で私が最もやりたい形で演奏できることがとても楽しみです。
大林:今回、ヴァイオリンとピアノのための楽曲を1曲書く予定です。時代を超えて愛される名曲はもちろん、ジャズの特徴であるグルーヴや二人の即興演奏など、その場でしか生まれない音楽の楽しさを感じていただきたいと思います。