Creative Art Mix Vol.2 Classical Jewels | 2023 DEC-2024 JAN

ダンス・音楽・映像が融合し、クラシックの名作が新たな舞台芸術として蘇る、新感覚パフォーミングアーツ「Creative Art Mix」。
今回は、2024年3月9日・10日に行われる公演の魅力を、ソプラノ歌手の倉岡陽都美さんとダンサーのYUKAさんに伺いました。

境界線を越えて表現し、
固定概念を覆すステージを

Creative Art Mixのように、一つの空間で異なるスタイルのアートが融合し、芸術的時代交錯を体験できるのは、とても面白いことだと思います。私の敬愛するモーツァルトやヴェルディが、現代の多種多様なジャンルの音楽芸術を目の当たりにし、それらが自由にフュージョンされ楽しまれていると知ったら、度肝を抜かれることでしょう。
私は、イタリアのコンセルヴァトーリオという国立音楽院を卒業しています。そこは、伝統芸術の様式を学び、スピリッツを受け継ぎ、それらを保守する者を育む場。卒業した者には伝統を後進に引き継ぐ責任があり、様式から逸脱して歌うことは厳禁です。しかし、今回はリミットぎりぎりまで攻めて、この声でできる表現を限りなく用いて、唯一無二のパフォーマンスを目指したいと思います。
編曲を担当された小野健悟さんのアレンジにより、“全く別の顔”を持って生まれた楽曲は、原曲と同じスピリットが感じられ、そのフュージョンはとても魅力的なもの。初めは恐る恐るという感じで向き合っていましたが、今ではマインドを切り替え、“全く別の顔”を楽しんでいます。
共演アーティスト、オーディエンス、すべての関係者に、自分の声がどのように影響を与えるのか。また、自分はどのような影響を受け、互いが融合して起こる化学反応はどのようなものなのか。Creative Art Mixを通して自分自身を知るのも楽しみです。
出演アーティストは、それぞれが境界線を越えて表現し、固定観念を覆すような刺激的なステージを目指します。そして、好奇心を抱いて来てくださる方々のクリエイティビティを刺激し、想像力を解放します。その先にある何かを感じ取っていただけたら、これ以上に幸せなことはありません。

倉岡陽都美

ソプラノ
昭和音楽大学卒業後、イタリアへ渡り、ボイト国立音楽院首席卒業。その後、パルマ王立歌劇場にて研鑽を積み、同劇場デビュー。ヴェルディ音楽祭、トスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団、ミラノ大聖堂、ミラノ万博主催公演ほか、イタリア国内外多数の公演に出演。2023年、札幌文化芸術劇場 hitaru 主催公演オペラ「フィガロの結婚」に伯爵夫人役で出演。藤原歌劇団正団員。

たくさんのワクワクする瞬間を、
目一杯楽しんでほしい

前回出演した「Creative Art Mix～RE:BORN～」は、ストーリー性のある内容で、表情や仕草を交えたダンス表現が求められ、私も含めてダンサーたちはみんな苦戦しました。普段は絶対に選ばないようなしっとりとした曲調の楽曲を振り付けさせていただいて、難しかったけど、挑戦になって面白かったです。クラシックバレエなど異なるジャンルの方とのコラボレーションは、とても刺激的でいい時間を過ごせたなと思っています。
今回は初めて制作打ち合わせに参加させていただき、皆さんと一緒に舞台をつくり上げていくんだというドキドキと、どんな風にできるんだろうという楽しみを感じました。打ち合わせでは、振り付けしたい曲調などを伝え、楽曲や舞台演出の方向性などを詰めています。
いただいた楽曲を聴いて、イメージがどんどんカタチになっていくのを想像すると楽しいですし、バンドの皆さんや他のダンサーたちと関わりが増えていく楽しみがあります。振り付けについては、今は自分の中でイメージを膨らませている段階。私は構成から考えるタイプで、楽曲が決まったらその雰囲気を頭の中に入れ、ステージを思い浮かべて、全体の構成を決めてから、ダンスを付けていきます。
Creative Art Mixの見どころは、バンドの生演奏と生のダンスのコラボレーション。舞台とオーディエンスの距離が近く、迫力あるパフォーマンスを直に体感できます。クラシックバレエ、ストリートダンス、コンテンポラリーダンス、舞踏、ジャズダンス、それぞれのダンサーたちの熱い踊りに注目してほしいですね。異なるジャンルの創造力が融合するステージには、たくさんのワクワクする瞬間がありますので、目一杯楽しんでほしいと思います。

YUKA

ジャズダンス
2006年よりダンススタジオマインドにてさまざまなジャンルを学ぶ。2015年、L.A.へダンス留学。2018年、同スタジオインストラクターに。マインドフェスティバル、北海道ダンスプロジェクト（HDP）、千歳ダンスフェスティバルなど、さまざまな舞台に多数出演・振付。KING DANCE MATSURI「Run meets KING Run create KOS」では、札幌オーディションに合格し出演。